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沖縄の風俗嬢が「橋下発言」に怒り心頭

 橋下市長の「米軍に対する風俗活用」発言は橋下市長の発言撤回という形で事態は収束に向かおうとしている。だがしかし、怒りが収まらないのは地元沖縄、それもこの発言の“当事者”である風俗嬢たちである。 「橋下さんは沖縄の風俗を知らないんですよ。あたしたちにも“米兵拒否権”だってあるんですよ。だから、アメリカ兵の人に風俗行けって言ったって、あたしたちが拒否したらダメなんですよ!」  と話すのは、ソープ嬢のAさん。彼女によると、沖縄の風俗では、入店時に米兵OKか拒否かを店側から確認されるというのだ。 「ソープもデリヘルも、アメリカ兵はOKか?ってお店に確認されます。OKのコの中には、アメリカ兵しか相手にしないコもいました」  米兵は定期的に検査を受けているので、病気の心配がないという理由で米兵専門嬢がいるというのだ。なるほど、もっともな理由である。  では、NGにしている嬢たちの理由はどこにあるのか。何人かの風俗嬢、そして風俗関係者から聞いた話をまとめてみた。 ・プレイが乱暴 ・言葉が通じない ・デリヘルなどの非本番風俗での本番の強要 ・体臭がきつい ・料金以外のプレイを強要する ・チンコがでかすぎる などなど  風俗嬢、風俗関係者共に米兵の評判はすこぶるよろしくないという。 「最近は外出禁止令が徹底されてるみたいだから、米兵はまったく来ません。もともと、規則で風俗に行っちゃダメだったみたいだけど、前はよく来てましたね。あたしは基本的にNGなんですが、以前は何度かついたことがあります。でも、もう、嫌ですね。日本人ってことで下に見てるし、おまけに風俗嬢だからものすごく下に見てる。頭持って強引にナメさせたり、アナル挿れさせろとか、注文が多いだけならいいけど、ビッチとか平気で言うのは腹が立ちますよ。『ファッキン ビッチくらいこっちもわかってんだよ!』って言ってやりたかったです」(A子さん)  また、那覇市内でデリヘル嬢をしていたB子さんにも話を聞いた。 「あたしがいたのはデリヘルなので本番はNGなんですが、向こうの人(米兵)って本番がないって理解できないみたいなんですよ。だから、いきなり挿れようとしたりするし、できないってわかるとものすごくキレたりすることがあるんです。おっきい男の人が、通じない言葉でものすごく叫んだりするから、すごく怖かった」  特に酔った米兵は手に負えないという。中には暴力を振るわれたケースも多々あり、沖縄の風俗界にとってアメリカ兵の存在は、目の上のたんこぶとでもいったところか。だが、こうしたたんこぶを逆手に取る輩も中にはいるというから抜け目がない。地元紙の記者に話を聞いた。 「元々、アメリカ兵の風俗店への出入りは米軍からの通達によって禁止されていました。しかし、あまり守られていなかったのも事実です。風俗店への出入りがなくなったのも、けっこう最近のことです。数年前から人気なのが、米兵専門のデリバリー業者です。そういった業者の中には特別なルートで基地内に自由に出入りし、女のコを基地内の居住地に連れていくこともあると聞きます。ここ最近の外出自粛のおかげで、けっこうな人気になっているとも聞きます」  捨てる神あれば、拾う神ありとでも言うべきか。こうした米兵専門の風俗業者の大半は無許可業者であるとも記者は言う。

ちょんの間が壊滅した栄町。昼ともなればゴーストタウンのような静けさ

「そもそも、4年ほど前までの沖縄はちょんの間と呼ばれる裏風俗が真栄原、吉原などにあり、風俗の聖地とすら言われていました。風俗の業者も数も多かったのに、性犯罪の件数はさして変わりません。そう考えると、橋下さんの発言は“適当”としか思えませんね。また、橋下さんの発言以降、なぜか女性団体の抗議も活発化しており、沖縄の人からすれば『そんな抗議は大阪市役所でやれ』ですよ。無用な混乱をこれ以上沖縄に持ち込んでほしくないですよ」  では、ソープ嬢のA子さんに再登場していただこう。A子さんは橋下発言についてどのように思ったのだろうか。 「そりゃあたしたちはお金を貰う代わりにHするのが仕事だけど、いくら仕事だからといっても、やっぱり裸でそういうことしたら、感情もわくじゃないですか。だから、すごく感じのイイ人だったらたくさんサービスしちゃうぞ!みたいな(笑)。だから、橋下さんみたいにただの“処理係”みたいな言い方は嫌だなぁ~。なんか、女としてみられてないっていうか、人として見られてないみたいで嫌な気持ちになりましたね」  橋下市長が謝るべきは、米国や米国市民ではなく、まずは沖縄の風俗嬢ではなかろうか。風俗嬢だって女性であり人間だ。飲み屋の与太話ではなく、公式の立場で「玉が重くなったらレイプする前に風俗に行けばいい」なんて言うのは、いかがなものか。飛田の料理組合の顧問弁護士をしていたなら、彼女たちの置かれた立場もわかるはずでは……いや、待て、料理組合側の顧問弁護士だったのなら、嬢たちの気持ちなどわかるはずもないか。 <取材・文/風俗(かぜ)を読む取材班 沖縄特別隊>
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