「安全だと信じてきたが…」広島県出身のシニア決死隊員が語る

「子や孫を被曝から守りたい」と、「福島原発行動隊」(シニア決死隊)の有志が動き出した。“本丸”である福島原発での作業を待ちわびながら、除染につながる草刈り作業に汗を流したシニアたちの素顔に迫る。 ◆これ以上2次的な被害を起こさないために  つなぎ姿で黙々と作業を続ける金井道明さん(63歳)は広島県出身。地元の環境調査会社で20年以上にわたって原発修理用ロボットの設計・製造に従事してきた。行動隊の存在をネットで知って参加を決めた。97年12月から3か月間、福島第一原発4号機の原子炉圧力容器の配管交換工事に携わったという。 「圧力容器は5重の安全装置で守られているから安心だと教えられてきたけど、今はほとんど壊滅状態でしょ。これ以上2次的な被害を起こさないため、作業員をもっとたくさん投入してもらいたい」  さらに金井さんは力説する。 「電力会社もメーカーも、政府やマスコミの顔色を窺って、積極的に動けない状況に陥っている。作業の重複や後戻りを恐れずに取り組んでほしい」 金井道明さん【金井道明さん】 広島工業大卒。「被爆地出身なので、本来は放射能の危険性を考えてこなければならなかったんでしょうが、原子力の世界に入って安全だと信じてきた。立ち止まって考えればよかった」 ― シニア決死隊の決意「オレたちが悲劇を終わらせる!」【2】 ―
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