日本じゃんけん協会会長が教える、集団でのじゃんけんで勝つ方法
人はさまざまなものに夢中になる。スポーツ、音楽、マンガ、アニメ、ゲーム、ギャンブルなど、なんでも好きになったものは究めていこうとするのが人間の性だ。
ここに「じゃんけん」に取り憑かれた一人の男がいる。まつもとはるお、「日本じゃんけん協会」という団体の会長だ。マスクを被ったその姿からはふざけている匂いしか漂ってこないが、「普段はお堅い職業に就いているため顔出しができない」というのがマスクを被っている理由。お笑い芸人でもなんでもない。そして、「本来のじゃんけんの輝きを取り戻したい」という彼のじゃんけんに対する愛情は本物だ。
しかし、「本来のじゃんけんの輝き」とは? そして、じゃんけん協会の活動理念である、「日本にじゃんけんを普及する」とは? 「じゃんけんなんて普及しまくっているじゃないか」というツッコミを胸の中に抑えつつ、まつもと氏の話を聞いた。
「私自身、子供の頃から暇になると『とりあえず、じゃんけんしよう』というのが口癖だったんです。大人になるとみんな最初は『えー?』って言うんですけど、実際にやると楽しんでくれるんですよね。今のじゃんけんっていうのは、『何かを決めるため』『順番をつけるため』に行われることが多いですが、このようにじゃんけんというのは本来はただ勝敗を競うだけの遊びなんです」
もともと中国発祥といわれるじゃんけん(ないしは三すくみ構造により勝敗を決めるゲーム)は、江戸時代にはお座敷遊びとして「虎拳」「狐拳」などとして流行したが、いずれ下火に。だが、「グー、チョキ、パー」の現在のじゃんけんが子供たちの間で流行し、日本全国に広がっていったという。
その「遊びとしてのじゃんけん」を普及、追及するために「日本じゃんけん協会」は設立されたわけだが、だいたい20名ぐらいのメンバーと集まり、喫茶店で「じゃんけんの練習」をしているという。一体、何をしているのか?
「主に拳読(けんどく)という、相手が何の手を出そうとしているかを読む練習をしています。チョキとパーのときは手がちょっと開くんですよ。それを見極めてこちらがチョキを出せば、最低限あいこには持って行けます」
また、じゃんけんに勝つためのさまざまな研究もなされているそうで、「大勢でじゃんけんをするときは、パーを出していると負ける確率が少なくなる」という。
「じゃんけんの三つの手はどれもおなじ確率で出されるのかというと、そうではありません。桜美林大学の芹沢教授が行った1万1567回のじゃんけんデータによると、もっとも多く出されたのがグー(35%)で、もっとも出されなかったのがチョキ(31.7%)。まあ、手の構造の問題というか、比較的難しい手であるチョキはあまり出されない、ということでしょうね。ということは、大勢でのじゃんけんではパーを出せば勝ち残れる確率が大きくなってくるわけです」
ただし、「私のようなじゃんけんの達人でもそこらへんの小学生に負けることがあるのが、じゃんけんの面白いところ」とまつもと氏が語るように、絶対の必勝法はじゃんけんには存在していない。ただし、「強いヤツは強い」という身もふたもない法則というか経験則もあるそうだ。
「第1回じゃんけん大会として『じゃんけん温泉』というじゃんけんし放題、温泉入り放題、という夢のような企画を以前に行ったんですが、優勝者は予選からずっと一番強かった人が、トーナメントでも優勝しました。また、2012年にはAKB48のじゃんけん選抜の予想をスポーツ新聞でやらせてもらったのですが、私が選んだ7人の候補のうち4名がベスト7に入りました。特にぱるる(島崎遥香)さんは強いと思っていましたが、優勝しましたしね」
だが、残念ながらその「強さ」の基準とは、長年、じゃんけんを追及し続けてきたまつもと氏のデータと感覚があればこそわかるもので、なかなか一般人には説明しづらいのだという。
さて、このように「単に勝敗を競うためだけのゲームとしての本来のじゃんけん」を追及していった結果、AKB48のじゃんけん選抜の副審判を「日本じゃんけん協会」の会員が努めるようになったという(まつもと氏はマスク姿の印象が濃すぎるので、舞台上への出演はNG)。ただ、AKBのじゃんけん選抜は、「遊び」どころではなく思いっきり選抜メンバーやソロデビュー(2014年の第五回)という「賞品」がかかったじゃんけんのような気がするのだが……、まつもと氏が満足げにその実績を誇っているので、そこの矛盾は追及するのはやめておくことにした。
※まつもと氏が動画で「じゃんけん必勝法」を伝授!!
⇒https://nikkan-spa.jp/742417
※「日本じゃんけん協会」が公式に認定するじゃんけんソング「ケラケラじゃんけん」の動画⇒http://www.youtube.com/watch?v=DEWDLBEe2qo#t=17
この曲が収録されたケラケラの2ndアルバム『ケラケランド』も絶賛発売中! 取材・文・動画撮影/織田曜一郎(本誌) 動画編集/田辺俊平
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『ケラケランド』 男女3ピース・ユニット、ケラケラのセカンド・フル・アルバム ![]() |
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