若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?
日本の年間自殺者は全体的に減少傾向にある。’98年以降、14年連続で3万人を超えていたその数は、’12年から3年連続で3万人を割り、警察庁によると’14年は2万5218人だ。
しかし、若年層の自殺は深刻な状況にあると言ってよい。15~39歳の死亡原因の第1位は自殺だ(男女別では男性15~44歳、女性15~34歳で1位)。
G7で15~34歳の死因の1位が自殺というのは日本だけ(※グラフ参照)。死亡率はアメリカやフランス、カナダの約2倍、ドイツやイギリスの約3倍、イタリアの約4倍となっている。
⇒【グラフ】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=850658
この傾向について国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センターの山内貴史研究員(認知行動科学・疫学)はこう語る。
「日本以外の各国では、若年層の死因はがんなどの病気、交通事故などのほうが自殺よりも多くなっています。ところが、日本では中高年の自殺死亡率は下がったものの、若年層の精神的な弱さが目立っています。他国のように、ストレスの対処法を教育で教わっていないからではないでしょうか。中高年の自殺率は今後も下がっていくと思われますが、若年層は増加傾向にあります。また、この数値(自殺率)には自殺未遂者が含まれていません。自損事故として救急搬送されるケースは女性に多いのですが、若年層は未遂も含めると相当の数になると思われます」(山内研究員)
思いつめる前に、自治体、ボランティアなどの相談できる組織のドアを叩いてほしい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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