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奥原宿に“もうひとつの二丁目”が出現!? LGBTフレンドリー施設が盛況

セクシャル・マイノリティ(LGBT)に該当する人は、日本の人口の7.6%、商品・サービス市場規模は5.94兆円という規模(’15年の電通調査)となり、LGBT層を支持する一般層にまで消費傾向が広がっていると予測される。「レインボー消費」と名付けられたLGBTをめぐる知られざる消費の現場、市場を取り巻く人々や環境に迫った!

◆奥原宿に“もうひとつの二丁目”が出現

 LGBTにとって重要なのは、情報交換や就労の場を確保することだ。

 渋谷区神宮前二丁目の一角に翻るLGBTを象徴するレインボーフラッグ。LGBTの住まいの問題に取り組む増崎孝弘さんも属する認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表の松中権さんは、ここでLGBTフレンドリー施設「カラフルステーション」を(株)ニューキャンバスと共同運営する。

カラフルステーション

1周年記念のパーティが開かれた「カラフルステーション」

「海外の大きな都市にはLGBTセンターがありLGBTの情報を発信したり、コミュニティが集う場になっています。それを日本でもやろうとして立ち上げたのがカラフルステーション。海外とは違って行政のサポートがないので、経営を安定させるために1階はレストランにしており、働いている人の8割がLGBTです」

 2階は月額制のシェアオフィスになっており、クリエイティブの薫りと昔ながらの商店街の空気が同居する“奥原宿”の新鮮な刺激を求め、クリエイターたちが集う。

カラフルステーション

写真家レスリー・キー氏の撮影したLGBTの人々の写真が特別展示され、当事者やいわゆるノンケの人、近所の人々で賑わった

「スターバックスが自分たちのことを“サードプレイス”と呼んでいるように、自宅でも職場でもない第三の場所があると人は心地いいもの。LGBTの世界だけに閉じるのではなく、その他の人との接点をつくったり、一緒に新しいものを創り出していきたいんです」

 1階のアジア多国籍料理レストラン「irodori」は近隣でも評判で、平日にはOLの姿や家族連れもチラホラ見える。新奇な業態には周囲の反発がつきものだが、近所付き合いも良好のようだ。

「なにしろ、地元の商店会のおじちゃんやおばちゃんがすごくポジティブ。最初は『ゲイとオカマはどう違うんだ』なんて聞かれたけど、今は一緒にお神輿を担ぐ関係です。LGBTを怖がって攻撃する人は、LGBTを知らないから。顔を合わせて話せば、『なんだ、普通のあんちゃんねえちゃんたちじゃないか』とわかってもらえた」

カラフルステーション

「カラフルステーション」のトイレのサイン。女性、男性、“トランスジェンダー”が分け隔てなく使用する

 LGBTのパートナーシップ条例の先駆けとなった渋谷区の中でも、神宮前二丁目は最もLGBTが元気なエリアになりつつある。

「この辺は美容室やアパレルが多くて、LGBTの人がたくさんいます。新宿二丁目は夜のイメージですが、昼間から歩ける明るくてポップなイメージの、もうひとつの“二丁目”を神宮前二丁目につくろうという動きもあるんですよ」

 安心して遊べる街は、新たな観光資源になるかもしれない。

取材・文・撮影/野中ツトム(清談社)
ー [セクシャル・マイノリティ市場]が国内6兆円に拡大中 ー




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