インフレ率が高いのになぜ利上げしないの?
今後、利上げする可能性はあるの?
どうなったら利上げされる?
こんな疑問や悩みはありませんか?
この記事では「トルコリラの利上げの可能性と利上げ時期、利上げされない理由」などを詳しく解説しています。
インフレ率が高い場合、利上げをして実質金利を高くしないとトルコリラの相場が下落します。
インフレ率が43.68%、金利が8.5%、実質金利は-35.18%なので、その分を穴埋めするために通常は金利を上げますが、エルドアン大統領は高金利が嫌いなので、中央銀行に圧力をかけて利上げをさせなくしています。
注意ポイント
実質金利がさらに下がるので、今後トルコリラが下落する可能性が高い。
【基礎知識】トルコリラの概要
トルコリラは南アフリカランドやメキシコペソと並ぶマイナー通貨で、為替変動が不安定な新興国通貨です。
一方で政策金利が高いため、ほかの通貨ペアよりもスワップポイント(金利収入)がたくさんもらえるのが特徴です。
政策金利とは
政策金利とは、各国の中央銀行が決めるその国の通貨の金利です。
中央銀行が民間の銀行にお金を貸し出すときの金利である政策金利を調整することで、景気変動を調整します。
トルコリラ 政策金利(%) |
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2023年 | 9.0 | 8.5 | 8.5 | 8.5 | ||||||||
2022年 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 14 | 13 | 12 | 10.5 | 9.0 | 9.0 |
ちなみにトルコリラの政策金利は2018年4月までは8.00%でしたが、2018年9月には24.00%まで引き上げられました。
その後2020年5月にかけて8.25%まで引き下げられ、現在は8.5%です。
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2020年9月トルコリラが利上げされた2つの理由
2020年にトルコの中央銀行が利上げに踏み切った理由は次の2つです。
- 通貨安を食い止めるため
- 物価の上昇を抑えるため
それぞれの理由について、以下で詳しく見ていきましょう。
理由①通貨安を食い止めるため
ひとつ目の理由はトルコリラ安を食い止めるためです。
なぜならトルコリラ安が進むと海外からの輸入品の価格が上がるのでインフレが進み、経済が不安定になるからです。
ちなみに「インフレ」とはインフレーションの略で、物価が持続的に上昇する状態を指す!
インフレが起きると物価が上昇し、預貯金や金融資産の価値が目減りするので、国民の生活が苦しくなります。
金利を上げるとどうなる?
物価の上昇を抑えるため
2つ目の理由はインフレを抑えるためです。
なぜならインフレは通貨安を引き起こしやすいからです。
そんなときは政策金利を上げれば、民間企業は銀行からの資金調達が難しくなって積極的な設備投資を控えるようになります。
そのため経済が停滞してデフレになり物価は下落!
また、金利が上がったトルコリラを買う人が増えればトルコリラの相対的な価値は上がり、結果としてトルコリラ高につながります。
トルコリラの利上げが相場に及ぼした影響
2018年9月13日に実施された政策会合で、トルコの中央銀行は政策金利を17.75%から6.25%引き上げ24%にしました。
その結果、利上げ直後にはトルコリラの人気が高まり一時的にトルコリラ相場は急上昇。
しかしトルコ人による実需のトルコリラ売りが入り反落しました。
(上記は2018年9月のトルコリラ/円2時間足チャート)
このように利上げされた通貨は人気を呼び短期的には相場を上昇させるものの、市場へのインパクトの大きさによっては反落する可能性もあります。
【2022年以降】トルコリラの利上げの可能性は?
2022年以降のトルコリラの利上げに関する見通しは下記の通りです。
編集部の見通し
- 2023年まで、これ以上の利上げの可能性は低い
- 中長期的にトルコリラは下落する
それぞれの見通しについて、以下で詳しく見ていきましょう。
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見通し①2023年まで、利上げの可能性は低い
「トルコリラ安、外貨準備金不足、景気低迷」などから、普通は利上げになるのですが、おそらく利上げはされません!
エルドアン大統領は利下げ圧力をかけ、利上げする中央銀行の総裁はクビにしてしまうからです。
トルコリラ急落、3カ月ぶり安値 中銀総裁の更迭で
トルコの通貨リラが22日、外国為替市場で急落し、足元では対ドルで1ドル=8.1リラ台と約3カ月ぶりの安値水準で推移している。20日にエルドアン大統領が金融引き締めを掲げていた中央銀行総裁を更迭したことで利下げの観測が強まり、投資家がリラを売った。
エルドアン大統領の満期は2023年ですが、今から長期的な経済政策を行うのは難しいと考えられます。
エルドアン大統領が任期満了を迎えるまでは、逆に金利引き下げの可能性が高いです。
見通し②中長期的にトルコリラは下落する
米国が政策金利を上げてくるので、トルコリラから米国に資金が逃げていくことが予想されます。
米FRB、5月の50bp利上げは「堅実」=SF連銀総裁
米サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は20日、高インフレに対応するための連邦準備理事会(FRB)の利上げ路線は適切との見方が広がる中、5月の会合で50ベーシスポイント(bp)の利上げを決定することは「完全」で「堅実」との見方を示した。
【※Reutersより引用(2022年4月20日)】
2022年末までには2%台まで米国の金利が上昇すると予想されているので、トルコからある程度の資金が米国に移ることが予想されます。
「資金引き上げ = トルコリラ売り」になるので注意が必要です。
トルコリラにおすすめの投資手法3選
という人におすすめなのは、次の3つの手法です。
おすすめ投資手法
- スワップポイント狙いの長期トレード
- 分散投資
- 急落後の下値を拾う
それぞれの投資手法について、以下で詳しく見ていきましょう。
投資手法①スワップポイント狙いの長期トレード
ひとつ目の投資手法は、スワップポイント(金利収入)狙いの長期トレードです。
なぜならトルコリラは政策金利が高く、ほかの通貨ペアよりもスワップポイントがたくさんもらえるからです。
2022年7月22日の時点では1日25円のスワップポイントがもらえます。
ちなみにスワップポイントは毎日もらえるので、それを使ってトルコリラを買い増しすると、複利で利益が増えていきます。
トルコリラ スワップシミュレーション
投資手法②2種類の分散投資
2つ目の投資手法は2種類の分散投資です。
トルコリラは為替変動が不安定なので、為替変動リスクを抑えるために「時間分散投資」または「通貨分散投資」が効果的!
時間分散投資
時間分散投資とは一度にまとめて購入するのではなく、毎日、毎週、毎月のように購入するタイミングを分ける手法です。
相場の状況を見ながら、有利なタイミングに絞って購入できるのがメリットです。
通貨分散投資
通貨分散投資とは、トルコリラ/円以外の通貨ペアにも投資する手法です。
そうすればトルコリラ/円が下がったときに、トルコリラ/円に集中投資した場合よりも損失を抑えられます。
具体的な分散先としては米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円といったメジャー通貨がおすすめです。
投資手法③急落後の下値を拾う
3つ目は急落後に安く購入する手法です。
なぜなら、要人発言や経済指標などのファンダメンタルズが発表された直後の急落のタイミングで購入すれば、安い価格で購入できるからです。
必要証拠金が安く済めば、その分ポジションを長期保有してより多くのスワップ利益を狙えます。
また、証拠金維持率をより高く維持できるのでロスカットされにくく、安定した長期スワップ運用にもつながります。
トルコリラ投資向けのFX会社は?
全てにおいて高スワップ! 高金利通貨を買うなら「LIGHT FX」
- ほぼ全ての通貨ペアが高スワップ
- トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドが特に高スワップ
- 1,000通貨単位対応なので、少額から取引できる
特に、トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドのスワップが高く、金利収入狙いのプロトレーダーに人気!
スワップ狙いでの取引ならLIGHT FXが一番おすすめです。
高スワップ・低スプレッド!初心者におすすめ「みんなのFX」
- 高スワップ・低スプレッド!長期売買にも強い
- 高金利通貨のトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドが特に高スワップ
- 1,000通貨単位対応なので、ドル円なら5千円の少額から取引ができる
低スプレッドな上に、約定力が高いのでデイトレにも強いのが特徴です。
短期も長期もどちらでも対応できる高スペックのFX会社で、FX初心者に特におすすめです。
【外貨ex by GMO】で有利なスワップポイントを獲得しよう!
- 取引通貨単位は「1000通貨」ドル円なら約5000円から取引OK
- 業界最高水準のスワップポイントを提供中!
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外貨ex byGMOはここ数年でじわじわとスワップポイントの水準が上がってきており、多くの通貨ペアで業界最高水準のレートを提供しています。
信頼性の高い日本の金融機関であるGMOグループが運営しているので、初心者も安心して長期保有ができます!
トルコリラ投資の手順
- もらえる金利が多いFX会社に口座を開設
- トルコリラ/円を購入
- 決済せずに長期間待つ
- 毎日スワップがもらえるので、ある程度貯まったら投資額を増やし、もらえるスワップを増やす
注意
- FX会社を比較し、もらえるスワップが多いFX会社を使う
- スプレッドは重要ではなく、あくまでスワップを重視
- レバレッジは1~3倍、最大でも5倍程度に抑えて運用する
トルコリラの利上げ まとめ
上記で紹介した「トルコリラにおすすめの投資手法3選」を実践すると、今後は利上げがトルコリラ相場に与える影響が読めるようになり、安定した長期のスワップ投資につながりますよ。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
- トルコの中央銀行はインフレとトルコリラ安の悪循環を食い止めるために利上げした
- 利上げは一般的には為替相場の上昇をもたらすが、サプライズの度合いによっては一時的に終わる場合もある
- 2023年まではトルコリラは利下げの可能性が高いが、アメリカの利上げを受けてトルコリラも逆に一時的に利上げをする可能性も若干ある
「利上げしたらもらえるスワップも増えるから、どんどん買おう!」と考える人はたくさんいます。
しかし世界中のトレーダーの間で想定の範囲内であれば、為替相場が反落する可能性もあります。
そのため、じっくり相場の状況を見極めてから投資してくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
トルコリラの利上げ Q&A
トルコリラが利上げされた理由は?
トルコリラが利上げされた理由は主に下記の2つです。
- 通貨安を食い止めるため
- 物価の上昇を抑えるため
トルコリラ安が進むとインフレが進みやすくなり経済が不安定になるため、それを防ぐために利上げが行われる場合があります。
また通貨安を引き起こしやすいインフレを抑える目的もあります。
トルコリラ金利の見通しは?
当サイトでは2022年以降は利下げの可能性が高いと見ています。
エルドアン大統領は利下げ圧力をかけているため、大統領満期の2023年までは金融政策が大きく変更されることはないと考えられるからです。
おすすめの投資手法は?
トルコリラ投資は、下記の3つの手法がおすすめです。
- スワップポイント狙いの長期トレード
- 分散投資
- 急落後の下値を拾う