日刊SPA!の美しきボツ原稿(1)

だいぶ前の話になるが、11月11日「美しいまつ毛の日」だった、らしい。美容成分“卵殻膜”を配合したコスメティックを展開する(株)アルマードという会社が今年、記念日登録をし、「日本記念日協会」という団体がそれを認定しちゃった、んだそうだ。そして、この記念日を記念して、“美しい地まつ毛”の象徴として女性有名人を選出する「まつ毛ビューティ大賞」の授賞式イベントが、その前日の11月10日、都内某所にて開催された。

ところが僕、ゴメス記者は不覚にもこの授賞式当日、目的地に向かう途中、直前に食べた特盛りトマトソーススパゲティがよくなかったのか猛烈な便意をもよおして、会場すぐ近くの「いきいきプラザ」という公民館みたいな所で見つけたトイレで懸命にうんこを踏ん張っていたせいで大幅な遅刻をしてしまい、汗だく状態でようやく到着すると、すでに授賞式は終わっていた。

「もう帰ろうかな……」

とも思ったが、コスメ会社が主催するイベントの取材記事に、うんこという単語が登場するのもマスコミ史上初めてではないか、と気を取り直し、とりあえずもう少し筆をすすめてみようと決心した。

まずは、まだステージ上にかろうじて残っていた「第一回・まつ毛ビューティ大賞2011」の受賞者である田丸麻紀という人のまつ毛を、最後列の席から懸命に吟味する。カルーセル麻紀のまつ毛よりは自然な感じだが、彼女の地まつ毛が、ほかの並みいる女性有名人より突出して美しいのか、と問われれば、正直よくわからない。

しかも、この田丸という人のコメントが、またつまらない。

「まつ毛は重要ですね。ビューラーで上げただけで印象が全然変わってきますし、女子力アップには欠かせないパーツだと思います」

こりゃ、もう最後の囲み取材で

「一番まつ毛ビューティだと思う男性タレントは?」

という質問をみずからぶつけ、起死回生を図るしかないな、と意気込んではみたものの(ちなみに僕が一番まつ毛ビューティなと思う男性タレントは郷ひろみ。目尻に近づくほど大波のごとく角度を緩やかに下げていく、美しいハープの弦のような美まつ毛が、HIROMI GOの少年みたいに輝く瞳に、アダルトな憂いを被すのだ)、案の定、質疑応答が許されているのはテレビ側の御用リポーターだけ。それも終始、「理想の男性像」だとか「まつ毛をキレイにして恋愛活動もお忙しくなりそうですね」だとか、まったくまつ毛にまつわらない、ホントどーでもいいことばっか聞いている。こっちはうんこで遅刻して、少しでもミのある(うんこだけに)コメントが欲しかったのに……

まったくもって迷惑な話である!

田丸麻紀さんがどーでもいいことを聞かれているところ。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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