髪は長い友だち

 20代、いや30代のころは、

「禿げたらハゲたで
スキンヘッドにでも
すりゃいいや」

などと開き直って、
養毛なんて観点には目もくれず、
水色黄緑のカラーリングで
髪を自虐的なまでに痛めつけては、
即物的なモテのみに標準を合わせ、
ただただ、ひた走っていた。

 しかし、40代にもなって、いざ
髪がじわじわと薄くなっていく過程を
なんとなく自覚できてしまったりすると、

「まだスキンヘッドは
早いのではないか」

「あと一回くらいは
長髪にもチャレンジ
できるのではないか」

といった
10年20年前の潔さとは対極の
歯切れの悪い執着心
芽生えてくるものである。

 密度の低い髪束を
精一杯伸ばし、
より禿げた部分に
撫でつける
いわゆるすだれ頭
のオヤジのことを
あざ笑うことなど
決してできなくなるわけだ。

 うん!
その気持ち……
すご〜くよくわかります!!

 かといって、カツラは
どう譲歩しても嫌なのだ。

 いくら今のカツラが
精巧であるとはいえ、

カツラはカツラ。

 しょせん人造物ってことなんだろう。

 やっぱ、髪が一番なのである。

……なんて愚図りながら
まもなく50歳を
むかえようとする私に
ある日、
看過できない誘惑の魔の手が!?

 続きは日刊SPA!へと
舞台を移したい。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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