第215回

5月30日「ロボットはいかにして子供を作るか」

・フルCGアニメーション『ロボッツ』試写。『アイスエイジ』チーム、すなわちディズニーへの対抗勢力として急浮上している20世紀フォックス陣営による作品。

・血肉や自然物が全くない、つまり機械だけで出来ている街の中で暮らすロボット達のストーリー。既視感がある設定だが、フルデジタルの作品でこういう世界観に挑戦したい気持ちはよくわかる。キャラクターも建物も乗り物も、全てのものは細かいパーツの組み合わせで成り立っている。柔らかいものや曖昧なものが一切存在しない空間でロボット達は生き生きと動く。そういう設定における交通や医療、あるいはセックス(?)などのシミュレーションはとても面白い。そして「ロボットの成長もの」というテーマは映画ではとても珍しい。ロボットが機械を発明するようになる、というシークエンスは、すなわち機械が自律進化し始める状況を示唆しているわけである。

・物語はあまりにもテンポよく進んでいくが、クローン技術の進歩によって肉体がマシーンとして定義される時代を自覚して観ると、結構深いのである。

5月31日「新規プロジェクト予告の予告」

・スクウェア・エニックス社にて打ち合わせ。『プラトニックチェーン』新刊コミックスは6/27に発売決定。今回も、遠野ヤマさんによるオリジナル版と、人気作家競作によるアンソロジー版の、2巻同時発売。遠野さん版は、短編読み切りシリーズから長編パターンに突入して、順調。アンソロジー版は、担当編集・熊さんのキュレーター力によって「2年後のGファン」を期待させる内容になってる。すごい人がすごいの描いてますよ。

・それから『プラトニックチェーン』についてはさらに別ラインのプロジェクトも走っている。実はここ数ヶ月、極秘裡にこの仕事に打ち込んでいた。近々、情報公開できそう。

6月1日「さぼってるわけではない」

・てなわけでかなりてんぱってる状況なので、ディズニーランドに行くことにした。僕の場合、長蛇の列に並んでいる時にすごく仕事がはかどる。曖昧なものが一切ない、人工物だけの空間はある種の覚醒を喚起してくれる。

2006.02.07 |  第211回~

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。