第216回

6月2日「誰かがちゃんと取り組まなくては」

・早稲田大にて、授業後、 河合隆史博士とばったり会い、話し込む。テレビゲームが人間の脳に与える影響についての研究を、かれこれ10年以上は続けてる方だ。僕も時々ご一緒させて頂いている。

・最近とても非科学的な論旨でゲームの存在そのものを中傷する動きがある。ちゃんとした実験や考察を行っている立場から、あの手合いをきちんと潰してくれないと困る……というような話をした。ところがあれはそもそも論文が出されていないから、学界では論議にすらならない、ということらしい。これは驚いた。学問として語ろうとする場合は、まずその内容を裏付けとともに論文としてまとめ、発表するのが筋である(僕ですらそれはやっている)。

・てゆーかほとんどの学者から無視されているような理論(というより思いつきのたわごと)を大まじめに取り扱ってしまうマスコミがいけないのだ。これは理系と文系が完全に分かれてしまっている日本の人材問題のような気もする。

・個人的には、反論することよりも、正しい意見をちゃんと提示し続けることが大切だと考える。河合さんは今、ナムコ社がスタートした「ゲームの処方箋」プロジェクトというのをサポートしているという。テレビゲームの影響や効果を、科学的にまとめていこうという主旨らしい。僕も研究の現場にまた参加させてもらおうと思う。

6月1日「『ダディー』方式」

・『プラトニックチェーン』について極秘の新規プロジェクトについて、その最初の情報開示を、なんとコミックス新刊のオビで行なうことになった。6/27書店で見て下さい。

6月2日「オタク生活は体に悪いか」

・人間ドック。実はもう20年、毎年欠かさず受けている(過去20年間にわたって身長・体重・B・W・Hとも全く変化がないので、そろそろゲーム界の由美かおるを自称しようと思う)。

・お医者さんだけでなく、栄養士の方と話す機会があった。過去一週間の食事を聞かれた。僕の食生活は大体「朝食:缶コーヒー3本、昼食:缶コーヒー5本、夕食:カップヌードル」といったパターンである。ぼろくそに言われるかと期待したが、そうでもなかった。ジャンクフードと呼ばれているようなものも、実はそれほど体に悪くはないらしい。カップヌードルなんか、むしろ健康食品に近いのだ。

・僕は缶コーヒー中毒である。あれってすげー甘ったるく感じるけど一本(350cc)当たり砂糖は8グラムしか入っていないらしい。スポーツ飲料には13.4グラム、アミノ酸飲料は15グラムも入っている。運動してスポーツドリンク飲み続けたおかげで糖尿出ちゃった人もいるんだって。

・そして某炭酸飲料には小さい缶一本の中に38グラム。シュガースティック12.5本分入ってるんだぜ。ていうかよくそんなに溶けるものだ。

PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。