第358回

4月9日「現場報告としての講義」

・大学(大学院)の授業が始まった。ここ数年、不景気のせいか社会人学生が減り続けている。けれど単位に関係なく勉強したいという意欲のある人の割合は増えているように思える。本気で研究したいテーマがあるケースを除き形だけ修士号や博士号を取ってもあまり役に立たなくなっている、という情報を聞いた。大学もいったん権威や利権を捨ててスタンスを取り直す必要があるわけだ。

・今年は、過去のことの話を省略して、現場でもがいている立場からの体験談を軸に、現在と未来の話をしていくことにした。

4月14日「遺跡の秘密」

・中野ブロードウェイのカフェ予定地はいよいよ最後の仕上げ段階だ。時にミニシアター的な使い方もしたいので、壁に大型ハイビジョンモニターを設置、しようとするが、なにぶん古い建物なので強度が心配になり、まず先に壁を補強することに。

・PCやゲーム機も搬入。回線も全て引き直して接続。ブロードウェイの電話回線はかなりカオスな状態になっていて、NTTの人も来るたびにとても苦労している。そういう作業で壁裏や天井裏を調べるたびに、いろいろ怖いものが出てくるし。

4月15日「ブロードウェイの次はワールド会館に注目」

(クイズ)中野といえば●●こたん ●●を埋めよ。

・ところで元祖中野系ドラッグクィーンといえば黒木香さんだ。ワールド会館に住み、ブロードウェイをよく彷徨っておられた。しまいにワールド会館2階の縁からダイブして死にかけた。それまでに、そのあぶなっかしい場所で体操していたのをよく見かけた。報道では自殺未遂ってことになってしまっていたが、誤報なのだ。そういうのは中野ではよくあることなのである。

(クイズの答)神居

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PROFILE

渡辺浩弐
渡辺浩弐
作家。小説のほかマンガ、アニメ、ゲームの原作を手がける。著作に『アンドロメディア』『プラトニックチェーン』『iKILL(ィキル)』等。ゲーム制作会社GTV代表取締役。早稲田大学講師。