日本人の知らない日本【第1回:外国人の目がとらえた日本の印象】

 

外国人の目がとらえた日本の印象(小)

雨の日の渋谷スクランブル交差点

 若者で賑わう街・東京渋谷。そのある雨の日――。

 アメリカから来た老夫妻が、高層ビルのレストランで食事を終え、ふと廊下から窓の外を見下ろすと、ハチ公広場前のスクランブル交差点に、色とりどりの雨傘がひしめいて動いているのが見えた。

 老夫妻は、その様子をしばらく見つめた後で、こう語った。

 「私たち、こうするのが大好きなの。日本のことが一番よくわかるから。雨の日、そしてことに渋谷のような大きな交差点。ほら、あちこちの方向へ動く傘をよく見てごらんなさい。ぶつかったり、押し合ったりしないでしょう? バレエの舞台の群舞みたいに、規則正しくゆずり合って滑って行く。演出家がいるかのように。これだけの数の傘が集まれば、こんな光景はよそでは決して見られない」(加藤恭子編『私は日本のここが好き! 外国人54人が語る』出窓社より)

 日本人には「せかせかとした雑踏」としか見えないスクランブル交差点で入り乱れる傘の群れを、この老夫妻は「規則正しくゆずり合って滑って行く」日本人の姿として捉えているのだ。

 日本人には当たり前の光景が、外国人の目には、新鮮な驚きとして映る。
このように、〝クールジャパン〟といわれる日本の魅力に、実は、私たち日本人自身が気づいていないことが多いのではないだろうか。

 4万7千人の読者をもつ人気ブログ「国際派日本人養成講座」編集長の伊勢雅臣氏は、近著『世界が称賛する 日本人が知らない日本』(育鵬社)で、この「スクランブル交差点」の題材を取り上げて、こう解説している。

 「『スクランブル交差点での傘の群舞』とは、一人ひとりの行きたい方向はそれぞれだが、互いにほかの人のことを思いやって、全体として一つの秩序を生み出している日本社会の見事な象徴である。そこには一人ひとりの自由と、共同体としての秩序が共存している」

 私たち現代日本人の、何気ない振る舞いは、実は、長い年月のあいだに、知らず知らずのうちに培われた、〝日本人ならではのもの〟であることを、外の眼は教えてくれる。

(文/育鵬社編集部)


【伊勢雅臣(いせ・まさおみ)】
「国際派日本人養成講座」編集長
著書に『世界が称賛する 日本人が知らない日本』『世界が称賛する 国際派日本人』(ともに育鵬社)がある。

世界が称賛する 日本人が知らない日本

これぞ〝クール・ジャパン〟の決定版!




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