独裁を目ざそうとする習近平の野望①

習近平

いまだに独裁国家は多い


 21世紀の世界において、いまだに独裁国家は存在をしている。歴史を溯ると、民主主義と共産主義の戦いはソ連崩壊によって、民主主義の勝利として決着したはずだった。

 どんな体制の国であっても、遅かれ早かれ、民主主義をとりいれていくものと思われていたし、21世紀になると東欧やアフリカでも民主化は徐々に進んでいった。

 しかしながら、現在でも多くの国が独裁を続けている。エリトリア、ジンバブエ、スーダンなどのアフリカ諸国。

 アジアでもモンゴル、ベトナムなどが独裁体制をとっている。シンガポールのように経済が発展し、一見、民主的な国のように勘違いする国もある。石油産出国として経済的に豊かなブルネイ、サウジアラビアなども民主的ではない。

独裁国家北朝鮮


 しかし、世界的にも特異な独裁国家は、北朝鮮ということで異論はないだろう。北朝鮮に関しては、世界でも類を見ない親子3代世襲による独裁国家を続けているが、こんな独裁国家でも、外交関係は160か国以上の国と結んでいるのだ。

 この北朝鮮の後ろ盾になってきたのが、「独裁国家」のロシアであり中国。しかしながら、2011年に親の死去に伴って、国家の最高指導者になった金正恩は、父親金正日が加速させた核開発をよりエスカレートさせ、2017年にはアメリカとの間で最高度の緊張状態が起きた。

 アメリカを最大の敵とみなす金正恩だが、北朝鮮の核ミサイルは、彼らの後ろ盾である中国にとっても、まかり間違えば大きな脅威となるものである。

 例えば、金正恩は就任後、一度も、中国を訪問することもなく、中国からの政府要人が北朝鮮を訪れた際にも、会うことはなかった。そして、中国に対しても批判的な言葉を挑発的に発していたのだ。

静かなる中国

 
 ただし、中国が北朝鮮を突き放すようなことはしなかった。北朝鮮の核開発阻止のために国連よって経済制裁が課せられるなか、アメリカの圧力によって制裁に加わった中国も、「厳しい制裁は北朝鮮には逆効果」との姿勢を崩さなかった。北への制裁の効果は中国がどれだけ本気で制裁を行うかにかかっていたのだ。

 北の核ミサイル騒動のさなか、不気味なほど静かだった中国。そのあいだ、2017年10月、党大会で「習近平思想」を党規約に盛り込むことが承認され、2018年3月には、国家主席の任期制限を撤廃する憲法改正が承認された。つまり、この半年で、習近平の独裁体制が着々と進んでいたのだ。

参考文献:『習近平の死角――独裁皇帝は間違いなく中国を自滅させる』宮崎正弘著/育鵬社刊




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