日本を本当に豊かにするためのプロジェクト②

マルクス

マルクス

インフラはスープラ( 上部構造) を支えている

 当たり前ではあるが、ある特定の部位を「下部」と呼ぶ以上は、その反対の「上部」が存在する、ということである。  だから下部構造、インフラ・ストラクチャーと呼ぶ以上はその反対の「上部構造」が存在していることになる。  こうした「上部構造」はしばしば「スープラ・ストラクチャー」あるいは「スープラ」と呼ばれる。  私たちの社会、経済、政治、言語、文化、文明は国土としてのインフラの「上」に作り上げられたものであり、したがってそれらはいずれもスープラと位置付けられる。  つまり、私たちが作り上げ、暮らしているこの世界を上部と下部に分割し、一方をインフラと呼びもう一方をスープラと呼ぶ、という次第である(ちなみにこの両者の関係は、ソフト、ハードの分類と軌を一にしている。  つまり、私たちの世界の「ハード」部分をインフラと呼び、それ以外の「ソフト」はすべてスープラに分類されるわけだ)。  さらに言うと、「国家」というものは、 ・国土(領土、領海、領空) ・国民 ・主権  の三要素から構成される政治共同体と定義されるが、これらのうちの国民や主権は、「インフラ」としての国土の上部に存在する「スープラ」なのである。  つまりインフラは国家を構成する主要要素の一つであり、それ以外のすべてを支える国家の土台なのである。

「インフラ」が「スープラ」を規定する

 さて、社会や経済、文化や政治等、ありとあらゆる人間活動の所産である「スープラ」が「インフラ」の上部に構築されるものである以上、インフラはスープラのありようを「規定」し「決定」付けている。  つまり、インフラのありよう、国土のありようが、その上で活動する人々のあらゆる行動を規定し、社会、経済、文化、政治、そして文明等のスープラのありように深遠かつ支配的な影響を持っているのである。  例えば、社会を上部構造と下部構造に分離して論じた代表的論者であるカール・マルクスは、インフラ=下部構造が、上部構造を決定付けているという社会科学分析を基軸に、さまざまな議論を展開している。  彼がそんな議論の中でも特に着目したのが「物理的交通」であった。 藤井聡著『インフラ・イノベーション』育鵬社刊より) 著者紹介。1968 年奈良県生まれ。京都大学大学院教授(都市社会工学専攻)。第2次安倍内閣で内閣官房参与(防災・減災ニューディール担当)を務めた。専門は公共政策に関わる実践的人文社会科学。著書には『コンプライアンスが日本を潰す』(扶桑社新書)、『強靭化の思想』、『プライマリー・バランス亡国論』(共に育鵬社)、『令和日本・再生計画 前内閣官房参与の救国の提言』(小学館新書)など多数。





おすすめ記事