俺の夜
毎年のように年末年始は悪友たちとの麻雀大会に参加しているスパムです。前回は見事に惨敗してしまったので、いざリベンジをと思っていたところ、女流プロ雀士が営む店があるとの情報を得た。しかもホームページを見てみれば、なんとも美人のプロ雀士さんが働いているではないか……。そこで彼女らに麻雀のイロハのイから教わるべく、早速向かった。
“美女”雀士がお出迎え!
やって来たのは、武蔵小山駅から徒歩2分ほどにある麻雀バー「R」だ。店内はカウンター7席ほどで小さなスナックのような雰囲気。「いらっしゃいませ~」と迎えてくれたのは、店長の日本プロ麻雀協会所属の女流プロ・真希夏生さんだ。パッと見は綺麗なお姉さんだが、今年の「女流名人戦」で優勝するほどの腕前だという。乾杯しながらおもむろに麻雀歴を聞くと「中学時代に悪い先輩に教わって始めたんです」とのこと。
「女子が麻雀を始めるきっかけって、だいたいが男友達か彼氏に教わってなんですよね(笑)。ウチのお客さんはやっぱり麻雀好きの方が多いので、お酒を飲みながら麻雀談議を楽しんでます。閉店後にはそのままお客さんと“打ち”に行くこともあるんですよ」こんな美女たちがなぜプロ雀士に?
こちらでは日替わりゲストで女流プロが来店。この日は特別に柚花ゆうりさん、水瀬千尋さん、逢川恵夢さんの3人も接客してくれた。一般にはあまり知られていないが、麻雀には大きく「日本プロ麻雀連盟」「日本プロ麻雀協会」「最高位戦日本プロ麻雀協会」という3団体があり、最近は全団体で女流プロ雀士が増えているという。「だからかわいいコも多いし、グラビアデビューする女流プロ雀士もいるんです。今年からはAbemaTVで露出が増えたりしていて、女流プロを巡る環境もどんどん変わってきてますね」(逢川さん)
また、同店ではネット麻雀もプレイ可能。というわけで、教えを乞いながらプレイしたスパムに対し「なんでそこでリャンピン切るんですか!?」「そこ! リーチですよ!」など数々のご指摘が……。「対局中は性格が変わるから『人を殺しそうな顔してる』と言われたこともありますね。だからもし彼氏が麻雀できたとしても、一緒には打ちたくないんです。弱いと幻滅しちゃうから」(柚花さん)
「でもこの業界は職場恋愛が多いよね。雀荘の店員とか」(水瀬さん) 「そういえば婚活パーティへ行ったときに職業を聞かれて『麻雀プロです』って答えたら、すごい怪訝な顔をされた(笑)」(柚花さん)そんな女流プロ雀士ならではの恋愛トークを聞けるのも同店の魅力だ。その後も「このシチュエーションなら何を切るか?」というクイズを肴にグラスを傾けること数時間。もはや役を数えられないくらいベロベロになりながらも、麻雀大会後には吉報を届けるため再訪しようと思うスパムでした。
【麻雀バーR】
住:東京都品川区小山4-1-6 ファーストOKビル103
電:070-6976-0068
営:18~23時
休:火・水(変更あり)
料:席料1200円/60分 税・サ8%(女流プロのゲストデーはサービス料10%)
その他の情報はHP:http://skd1986.com/でチェック ツイッターは@mahjongr
年末の夜の街の景気は、昨年に比べていいようだ。都内では飲食店の客単価が軒並み上がったと聞くし、キャバクラ等の客入りも好調のようだ。活気に沸く繁華街を横目に「寒風吹きすさぶ懐」を抱え歩いていると、夜遊びガイドのO氏から電話が。「今からクルマで迎えにいくので遊びにいきませんか?」と弾んだ声を出す。
指定された場所で待っていると滑るように横付けされるリンカーンリムジン。後部座席のスモーク張りのウィンドウが静かに開くと、なんと満面の笑みのO氏が乗っており、手招きするではないか!
女子会グループもアゲアゲ&ノリノリ
道行く人の注目を浴び、リムジンが滑り込んだのは歌舞伎町。クルマを降り、エレベーターで地下に下りると、大音量の音楽、銀色のポールを囲むように設えられた円形ステージ。その周りのテーブルを縫うように歩くスタイルのいい女のコ、絵に描いたような酒池肉林が広がっていた。「いらっしゃいませ〜!」
席に案内してくれた美女にこの店の内容を問うと、一日3回のダンスショーとその間にゲリラ的に行われるショーが見られる、いわゆる「ショーパブ」のようである。
客席を見回すと羽振りの良さそうなパイセンもいるが、どちらかといえば、会社帰りのサラリーマンのグループが多い。よく見るとグループの中には女子もチラホラ、後からは女子会と思しきグループも入ってくる。
あたりをキョロキョロ見回しながら、ビールをチビチビ舐めていると広い店内が暗転。スモークがモクモクと床を這うと、きらびやかな衣装のダンサーたちが出てきて、激しく体を揺らし始めた。クリスティーナ・アギレラの「エクスプレス」が掛かり、映画のような世界が展開される。「カワイイ!」「カッコイイ!」と女子会席からため息が漏れる。それを尻目に、ステージ近くの“かぶりつき”に瞬間移動、汗を浴びる距離でダンスを堪能する我々。
O氏を見れば、札束を模したチップをフリフリ。ダンスが終わったオキニに渡すのだと鼻息が荒い。ショーが終わると各席をカーテンコールのように回り、ご挨拶をする女のコ。ここで息を弾ませているコの肩紐にチップをグイと挟むのは男の醍醐味だ。
リムジンで歌舞伎町のど真ん中に乗りつけ、セクシーなショーを観て、飲んで……気軽に非日常を、そして格別な夜を楽しめるなら、こんな選択肢もあっていい。
【nest】
住:東京都新宿区歌舞伎町1-14-7 新宿ハヤシビルB1
電:03-5285-1160
営:19時〜翌1時
休:日
料:男性4000円、女性3000円(60分、ショー・テーブルチャージ・飲み放題込み)
●食事付きコースあり、女性グループ限定120分3000円プランあり
「俺は美女を見たら無条件に口説いてキスをする。女はスターにこうされることを望むんだ。俺はドナルド。スーパースターだからな」
「そうだドナルド、お前はスターだ。何をしても許される」
「あっちの女を見てみろ。たまらない脚だぜ。クソッ、舐めてぇ」
アメリカ大統領選の期間中、ドナルド・トランプ氏の10年前の失言が暴露された通称「ロッカールームトーク」は大統領候補にあるまじき女性蔑視発言として非難の的となった。同時に「hot as shit」「pussy」など、タランティーノ映画で頻出するようなスラング、バカ話をエグゼクティブが嬉々として語る姿に、アメリカの懐の深さを感じたのも事実である。
政治問題や公人の倫理感について考察するのは本稿の趣旨ではないため控えるが、今回の大統領選の結果は建前ではなく本音が勝利したという見方もある。そしてこのたび、本能に忠実なアメリカの国民性をそのまま体現したようなお店が六本木に誕生したという。早速、足を運ぶことにした。
伝説の夜の名店が日本、初上陸!
1993年にニューヨークで産声をあげ、現在、全世界で23店舗を展開する伝説のバーチェーン「コヨーテアグリーサルーン」。そのアジア第1号店が、今年12月、六本木にオープンした同店だ。’00年に公開された映画『コヨーテ・アグリー』で描かれたお店の様子は、客席に向かってチェイサー代わりにビールサーバーをぶちまけるなど混沌そのもの。そんな狂乱と喧噪の世界観をつくり上げるのは、“コヨーテガール”と呼ばれるセクシーな女性バーテンダーたちの存在。お酒を提供しながら自らカウンターの上に立ち、大音量のカントリー、ロックミュージックに合わせて踊り、歌うのだ。
「コヨーテガールの応募総数は300人以上。フリースタイルの歌、ダンス、そしてノリの良さなど、厳しい選考を重ねて30人程度に絞り込みました。映画と同様、個性豊かな面々が揃いましたよ」(マネジャーの後藤遊氏)カウンターに座り、ガールズバーの感覚でゆったりとグラスを傾けていれば、コヨーテガールから「飲み足りないんじゃない?」と一喝。カウンターに横たわった女性の体に置かれたショットグラスにテキーラが並々と注がれ、そのままグイッと飲み干すことに。
周囲で巻き起こる拍手と嬌声、そしてアルコール濃度の高さに、体中の血が逆流したように熱くなる。目線を上に移せば、腰をくねらせながら、音楽に合わせて激しく踊るコヨーテガールの姿。体温や肌のにおいまで漂ってきそうな至近距離……ものすごい迫力だ。店内の雰囲気がそうさせるのか、アガらずにはいられないテンション。気づけば拳を突き上げ、喉がかれるほどに絶叫している自分がいた。コヨーテガールが口火を切り、客も一体となってオールナイトで繰り広げられるパーティ空間――夜の黒船が来航した瞬間を目の当たりにする夜であった。
【コヨーテアグリーサルーン六本木】住:港区六本木3-12-6 六本木プラザビル8・9F
電:03-6432-9858
営:19時~翌4時
休:日
料:各種ドリンク700円~ 150坪以上の2フロア。吹き抜け上部の2F部分は席チャージ1万円がかかる 撮影/石川真魚