俺の夜
「マティーニをシェイクで」。キザったらしくカクテルのウンチクをさりげなく披露する。そんな恥ずかしいことを……と思う読者諸兄も多いと思うが、酒のウンチクはネエちゃんを口説く際にキラーコンテンツとなることはバーテン時代に経験済み。そんな昔取った杵柄をどこかで披露したいのだが、肝心の相手がいないと嘆いていたところにライターのKK氏からこんなメールが来た。
「自分で指定したお酒で、オリジナルカクテル作ってくれるお店があるんですよ。しかも客層は現役女子大生過多!」
聞けばその店、46年もの歴史があり、江古田界隈の学生で知らない者はいないという。淡い期待を抱き、江古田に向かった。
名物ママの口が開けば下ネタが飛び出す
「あらイイ男! 女のコにカクテル作りたいの? あたしがぜぇ~んぶ、教えて、あ・げ・る!」
抱いてくれと言わんばかりの長島ママのテンションには、さすがの私もノックアウト。たまたま居合わせた女子大生3人をママが巻き込み、オリジナル・カクテルを振る舞うことになった。
まず、ジャブ代わりに放った一杯はオレンジキュラソーやパインなどを使ったトロピカルなイメージの一杯。その名も「熱帯夜」だ。するとさっそくママからダメ出し。「こんなんで女酔わす気? ぜぇ~んぜんダメよぉ~」
と言って勝手にラムを追加。
「おいしい! 今っぽくて飲みやすいですね。でも、熱帯夜感はないかも。どっちかというと沖縄って感じ?」
と評したのは演劇を学んでいるYちゃん。結局、熱帯夜は最終的に「那覇」という名のカクテルになってしまった。
その後は女のコたちが指定したお酒を使ってのオリジナルカクテル大会に突入。ママからのアドバイスは当然下ネタだ。
「カクテルの味はシェイカーの振りで決まるのよ! あぁ~もっと激しく腰を動かして全身で振らなきゃ、ダメ、ダメよ~」
浴びるようにカクテルを飲んではしゃぐ女子大生たち。
う~ん、おかしい……。カクテルって女を酔わせるためのものじゃなかったのか? このコたち、いくら飲んでも、まったくもって酔わないんだが。
「振るのはシェイカーだけじゃなくて腰も振るのよ!」(長島ママ)
結局、泥酔して最後のトドメを刺したのは伝説のカクテルと言われるレインボー。色鮮やかなリキュールを静かに注ぎ、比重によって層をなしていく幻想的な一杯だ。大喜びの女子大生たちは、ママからの「吸って、吸って~!」というむちゃぶりに、ストローでそれぞれの色だけ飲むゲームにチャレンジ。このカクテル、実は実際に飲むためのものではなく“目で飲むもの”なのだが、それをグイグイ飲ませるママのテンションに釣られて、代わる代わるグラスにストローを突っ込んでいく。
「もっと下! いやん、もうちょい上! あぁ~ん、そこそこ~」
酔った頭に刻まれた最後の記憶は、女子大生たちの嬌声ではなく、ママの絶叫だったのであった。
住:東京都練馬区旭丘1-67-7
電:03-3950-6329
営:19:00~26:00
休:日・祝
料:チャージ300円+おつまみ500円(一品取らない場合チャージ800円)、カクテル650円~、ロング・ドリンクス680円~(女性は22時まで半額)、オリジナルカクテル500円
カジノ法案が通常国会で審議入りし、年内成立の公算が高くなった。いよいよ日本にもカジノ施設が誕生するのか――。これまでマカオやラスベガスといった海外のカジノまでわざわざ出向き、多額のギャンブル資金を散財してきた男たちが活気づいたのは言うまでもない。テキサスもその一人である。
そんななか、今年7月に大阪・難波に海外カジノの雰囲気を再現したカジノレストランがオープン。お金を賭けられなくとも、“本格”的なカジノの雰囲気を、法案成立前に日本で味わってみたい。そこで早速、新幹線に飛び乗り、大阪に行ってみることにした。
バニーガールが横につきルールを教えてくれる
地下鉄・御堂筋線なんば駅から徒歩7分。難波の繁華街から少し離れたところにカジノレストラン「Jack&Queen」はある。
「総工費2億3000万円をかけ、日本にはないカジノレストラン&バーを再現しました」
広報担当・森下氏が語るとおり、エントランスで受け付けを済ませ、案内されたカジノフロアは海外カジノを彷彿とさせる高級感が漂っていた。システムは、5000円でチップ3000円分+1ドリンク付き。そのチップで遊べるカジノゲームはブラックジャック、バカラ、ルーレット、そして今、世界中ではやっているテキサス・ホールデム・ポーカーだ。会員になれば、勝ったチップのデポジット(預かり)も可能だとか。「ゲームがわからない初心者の方には、スタッフの横について教えることもできます。ご指名があれば、バニーガールも」(森下氏)
カジノゲームのルールはすべて把握しているが、初心者のフリをしてバニーガールを指名。ブラックジャックのテーブルに一緒に座ってもらい、ご指南いただいた。
「私はカジノゲームが大好きだから、つい仕事を忘れて楽しんじゃいますね」(YUKIちゃん)