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俺の夜

第二十夜 【前編】

不況が生んだ副産物!?
キャバ嬢のレベルがグ~ンとアップ!
夜の名古屋万遊記


【担当記者:テポドン】

 男児に生まれたからには、故郷に錦を飾りたいと願うのはごくごく普通のこと。名古屋を飛び出して早15年。帰省のたびに、次こそは帰郷の前に”凱旋”という枕詞を置きたいと願い続けているものの、いまだに新幹線乗車がささやかな贅沢となっているテポドンでおま。

 さて今回の夜遊びターゲットは、昨年末に「第二の派遣村ができるのでは?」とまで騒がれた名古屋。車が産業の中心な街だけに、不況という名の台風が直撃中の今、どんな変化が表れているのかは気になるところだ。

 名古屋駅に到着したのは午後4時を少し回ったところ。地元の友人との待ち合わせまで時間があったので、名駅裏のキャンパブで軽く遊んでおこうとしたんだが……。

 ない! キャンパブがない!

 栄華を極めた名古屋が誇る最強の風俗・キャンパブがないじゃないか! 高校時代に女から「来ないの……」と言われたとき以来の衝撃で思わず目眩がした。廃墟と化したキャンパブビルの前で立ち尽くし、地元の悪友・オカダに連絡すると、「逮捕! ヌキなし! キャバ! ない!」と、単語を連発されて切られてしまった。

 説明しておこう。キャンパスパブ、通称・キャンパブとは名古屋で大流行した個室型のピンサロのことである。安くて女のコの質が高かったことから、出張組が新幹線に乗る前に一発抜けると大評判になり、名駅裏一帯にキャンパブ村とも呼べる密集地帯ができあがっていた。しかし、そのキャンパブも昨年末に摘発が相次ぎ、村は壊滅。鞍替えしてキャバクラになったものの、抜きに慣れきったファンからは見放され、そのキャバクラも潰れたというのだ。

 まるで初恋の相手が不治の病で死んでいた……。そんな気持ちである。肩を落としてオカダと合流するために、名古屋一の繁華街、錦三(キンサン)こと、錦三丁目に向かった。



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かつては新幹線乗車を控えたエロゾンビが大挙して
押し寄せたキャンパブビルも、今では空室が目立つ。
キャンパブで働いてたレベルの高いコが、デリヘルなどに
流れている






取材協力/響波速人

第二十夜 【後編】



【担当記者:テポドン】

■夜はキャバクラ 昼は出会い系

 手羽先をつまみながら、最近の事情を聞くが、明るい話はない。

「名古屋でよぅ、三本の指に入る高級クラブ『X』が年末に給料遅配したんだわ。車関係の連中がもう来ぇへんもん。キャバクラも暇だから売れんコは休ませとるもんで、レベルは上がっとるわな」

 景気が冷え込んでいるようだが、そのおかげで女のコの質が上がったというのはなんとも皮肉なことだ。腹ごしらえもできたので、いよいよ夜遊びスタート! まずは、軽く錦三を歩いてみたのだが、道行く人の3倍くらい呼び込みがいる。こりゃ重症だなと、思いつつ連行されたのは「K」というやや高級なキャバクラ。50分セットで8000円。オカダによれば8000円が名古屋では高級店のラインだという。

 店内に客はまばらで、木曜日の22時にしては寂しすぎる光景だ。奥のテーブルで待機するネエちゃんたちのレベルは確かに高い。指名せずに適当にネエちゃんを回していく。まぁ、愛でて楽しめってことだわな。結局、さらに2軒はしごして泥酔。


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名古屋は栄の繁華街、通称・錦三とプリンセス大通り。
夜遊びなら、この界隈に行けばまず間違いはない。
週末でも名古屋の夜は早いので注意しよう!



 翌日、むかったのは名古屋が発祥と言われる出会いカフェ「Z」。マジックミラーの中にいる素人のコを指名して交渉。そして連れ出して……という店だ。勝手のわからない俺は常連と思しきオッサンに、それとなく話を聞いた。すると、まぁ、話す話す。「アイツはメシだけ」やら「デート欄の『その他』にチェックはアツい」など。やはり先輩たちの話は役に立つ。まずは連れ出して話を聞かねばということで、「楽しみたい★」という25歳OLを指名。連れ出し料金を払って外に出た。店を出ると女はさっそく切り出してきた。

「ところで今日はどうしたいの? 早く楽しもうよ★」

 もじもじしていると、「2(万円)でいいよ」と畳みかけてきた。とりあえずカフェで……と、お茶を飲みながら話を聞いた。すると女は、「この店は久々」と言いつつも、相場や常連のことなどをやたらと詳しく話してくれた。そして、なぜこの店のことを知ったのかと尋ねてみると……。

「SPA!って雑誌読んだの。知ってる?」

 母さん、俺は自分の仕事に誇りが持てなくなりました……。


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連れ出した女をパチリ!
これで撮影料3000円って、ボッタクリですか?



取材協力/響波速人

第十九夜 【後編】



【担当記者:苫米地】

さぁ、立ち上がれ!

憂鬱など吹き飛ばして 君も元気出せよ!


 BOOWYの「わがままジュリエット」がかかればヒムロックの声色をまねる宴会部長。そこにエアギターで絡む布袋ファンとおぼしき人。BOOWYの対象年齢は俺より少し上級生だった。初めて見たアン・ルイスと吉川晃司の「六本木心中」はバブル時代を彷彿させる逆三角形スーツに爆笑。プリンセス・プリンセスの「M」の印象的なピアノソロが流れればOLからは感嘆の声、そして大合唱。確か、中学生の時好きだったコがプリプリファンだったな……。

 向かいの二丁目のオネェ系グループは松田聖子の「青い珊瑚礁」をリクエスト。野太いが桃色がかった歌声が響き渡る。
 いよいよお待ちかねの俺リクエスト「One way Generation」(本田美奈子)。あまりの可愛さに息を飲む。憧れのお姉さんだった。サビでは周りも大合唱。自分のリクエストで盛り上がると嬉しいことこの上ない!

 映像とともに曲がかかるたびに「なつかし~」、「あったあった!」とうなずきあう客と客。知らないもの同士でも、同じ世代を生きたゆえ感じる高揚感。西城秀樹の「YOUNG MAN」で店内のボルテージは最高潮に。


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 そして、熱を冷ますため、ゴールデン街へ向かう。ここには’80年代の歌謡曲をLP盤やドーナツ盤で聞かせる店がある。その棚にあった「ランナウェイ」。27年ぶりの再会。針が溝を拾う音を聞きながら、悪ガキだった頃を思い出していた……。


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【bar plastic model】
住:東京都新宿区歌舞伎町1-1-10-1F
電:03-5273-8441
営:20時~翌5時(月~土)、20時~翌2時(日) 無休
’80年代を中心とした音楽やテレビゲームが楽しめる店。
カウンターには歌謡曲やロック、テクノなど様々なジャンルの
EP盤やLP盤が揃っている。
同世代のマスターと音楽談義に花を咲かすのも楽しい。
ドリンク600円~。チャージ700円。

http://www.plastic-model.net/


撮影/桜井健司

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