俺の夜
旧知のエロライターである中山美里さんから、飲みの誘いがあったのは、私の愛してやまない中日ドラゴンズが広島に10点ほどブチ込まれて大敗した翌日のこと。
「最近広島カープ、すごいじゃないですか。カープ女子のやってるスポーツバーにビールでも飲みに行きません?」
ボロ負けで傷心の私に向かってカープ女子の店に行かないかとは、傷口に塩を塗ることにほかならない。私は思わず電話で怒鳴った。
「いったい中日は広島相手に何敗してると思ってるんだ!」
しかし、返す刀で中山さんは、
「じゃあ負けた貯金をカープ女子に返してもらえばいいのよ」
なんて言われて向かったのは、六本木にある「SPORTS BAR C」だ。
球場にいるような雰囲気で飲める店
カープ女子と言えば、12球団で一、二を争うかわいさで有名。以前、マツダスタジアムを訪れた際も、熱狂的でかわいいカープ女子の多さに激しく嫉妬。私、中日ファンではあるが、カープ女子のかわいさには試合前から白旗である。出迎えてくれたのは店長のカヨちゃん、そしてスタッフのナツミちゃんとニシコちゃんの3人。
「わたしたち、カープは大好きなんですけど、カープの知識は完全にお客さんのほうが上(笑)」
兄の影響でカープファンになったという店長のカヨちゃん。勢い余って店まで出すからには、かなりの“ガチファン”と思いきや、マイルドなファンで安心した。スタッフのコたちも同様だ。お酒が大好きなニシコちゃんに、普段お店はどういう感じなのか聞いた。
「ウチのお店は本当にアットホーム。家族連れでいらっしゃる方もいるくらいなんですよ!」
それで安心した。あまりにもガチなカープ女子だったら、私はメガホンでぶん殴られているところだった。私は野球好きではあるが、こうしたファンの集まる店はやや敬遠していた。その理由は客も店員もガチファンすぎて、疲れてしまうからだ。だが、ここではそんなことはない。
他球団ファンの私を温かく出迎えてくれたカープ女子たちと飲むにつれ、もう、中日なんてどうでもよくなってしまった……というのは、言いすぎか。
ちなみにそれぞれの推し選手を尋ねると、ユカちゃん菊池涼介。ナツミちゃんとニシコちゃんはそれぞれ鈴木誠也。
「今のお店の悩みは、マニアックなカープトークができるコが少ないことですね」
笑顔でお酒を飲むナツミちゃんが悩みを打ち明けてくれたのだが、残念ながら私が教えてあげられるのはマニアックな中日トークだけ。仲よくなれないね……と呟くと、「でも、ドラゴンズはたくさんカープに負けてくれたから」
などと、絶妙な返しで思わず酔いも醒めた。野球のない月曜の夜、私はカープ女子を相手にしこたま飲んだのであった。
【SPORTS BAR C】
住:東京都港区六本木4-12-4シミズビルB1
電:03-5770-5622
営:18~24時
休:日曜
料:チャージ500円 税・サ20%
飲み放題スタンダードプランは最初の1時間2000円(30分延長700円)
女性限定で90分飲み放題無料キャンペーンを実施中
夏真っ盛り。この時期になると、スチャダラパーの『サマージャム’95』の歌詞にある「夏!! クラブ!! ナンパ!! 思い出!!」が脳内で流れ始めるスパムです。とはいえ、クラブでオールなんてもう何年もやってないけどね……。朝まで立ちっぱなしなんてムリよ、ムリ。そんなことを考えていたら、六本木に一般的なクラブではない「box disco」というスタイルの新スポットがあるという情報が。そこはクラブとショーパブとラウンジを融合させたような店で、海外ではセレブの遊び場として有名なんだとか。……いまいち想像がつかないので、行ってみた。
日本に初上陸した体感型の進化系クラブ
訪れたのは、今年2月にオープンした「party on」だ。360度LEDモニターで飾られた店内の正面には巨大なステージ。インスタ女子が泣いて喜びそうな凝った内装に加えて、フロア中央には……うお、プールまである。さて、同店が普通のクラブともっとも違うポイントは、テーブルやソファ席などが豊富にそろっているところだ。別途料金(3000円~)を払えば、席に座りながらゆっくりと飲むことができる。
「席でくつろぎながらショーとクラブノリを一緒に楽しむのがbox discoのだいご味です。いい年の大人なら、やっぱり立ちっぱなしは疲れますからね」(店長)そんなフロアには、露出度の高いセクシー衣装の美女たちがズラリ! 彼女たちは、スタッフとパフォーマンスを兼任する、同店自慢のパーティガールたち。
「ショー以外でも、私たちがフロアを盛り上げています。スマホで一緒に撮影するのもOKですよ」(パーティガールのNaoちゃん)
突発的にポールダンスが始まったり女のコが無料テキーラを飲ませ回ったりと、ショー以外にもコンテンツが盛りだくさんだ。
そしてショーの時間になればパーティガールたちはステージ裏へ。店内にはブランコ(!?)が設置されてショー仕様に早変わりする。
ステージ上に生バンドが登場し、ブランコのパフォーマンスからスタート。代わる代わる登場する20人ほどのパフォーマーが乱舞し、後半になると、中国の龍舞や恐竜ロボットまでもが店内を縦横無尽に暴れ回り……。最後は六本木界隈のロングヒットナンバー「Run to you」(日本ではDJ OZMAがカバー)に合わせて、会場の客が一斉にダンシング。スパムもパーティガールに手を引かれてフロアの中央へ。隣の女性客と肩を組んで、アゲアゲエブリナイトさせていただきました。
ショーの後はまたクラブの形態に。木~土曜はエントランスフリーなので、フロアの雰囲気を楽しみつつショーだけを観るのもありだろう。複数の形態を組み合わせて遊べるのは「boxdisco」ならではの面白さ。久しぶりにパリピだらけの始発電車で心地いい酔いを感じるスパムでした。
【party on】
住:東京都港区六本木3-8-15 六本木日拓ビルB1
電:03-3403-3666
営:22:00~翌5:00
休:日曜
料:エントランス料500円(1ドリンク付き、木・金・土曜はエントランス料が無料) ドリンクは800円~
撮影/水野嘉之
『週刊プレイボーイ』が新宿・歌舞伎町に酒場を出す―そんな噂を耳にしたとき、失礼ながら、初めて抱いた感想は「ロフトプラスワン(歌舞伎町にあるトークライブハウス)で雑誌イベントでも行うんだろ?」というものだった。が、どうも様子がおかしい。「グラドルが日替わりママを務める」「1年限定」「フリー入店可能」。骨格が露わになるたびに、そのガチ度に言葉を失う。例えるなら、エベレストの超難解バリエーションルートを狙う主人公に対する、ライバル登山家の衝撃に比肩する。
「無酸素単独登頂。やる気なんだ。言わなくてもわかる。こういうアイディアがあったんだ」(集英社文庫『神々の山嶺』 長谷常雄の「K2日記」より)
他誌の企画にまんま便乗するようで気は引ける。が、週プレもSPA!も、同じ週刊誌業界を盛り上げようとする呉越同舟の間柄。本気度を測るため現地へ向かった。
日替わりママがセクシー衣装で登場
JR新宿駅方面から歌舞伎町の目抜き通りを進む。TOHOシネマズの手前左のビル5Fに「週プレ酒場」はあった。壁面を覆う馬場ふみかの特大水着パネル。“プレイボーイ”と書かれたネオン電飾。近隣にあるロボットレストランに匹敵する、ギラギラとした内装設計だ。
「いらっしゃいませ~」白いTシャツに赤いエプロン姿のガールズ店員たちが笑顔でお出迎え。まずはビールで乾杯。「週プレの唐揚げ」「生本まぐろのてんこ盛り」などに舌鼓を打ちつつ、店内奥にしつらえてある完全予約制の「週プレ酒BAR」へ。
ここでは、グラビアアイドルが“日替わりママ”として接客をしてくれるのだ。5人定員のカウンターに腰掛けて、黄色い紙に自分の名前を書いて待機。「どうぞ~」というチーママの掛け声と同時に、この日のママ・月城まゆちゃんがカウンター奥から登場。まずは、名前の書かれた紙を確認してご挨拶。
「今日はありがとうございます。スギナミさん、いらっしゃいませ」肌の匂いや体温まで伝わってきそうな至近距離で、まさに無酸素単独登頂状態に。お酒を酌み交わし「まゆちゃん」「スギちゃん」と呼び合いつつ、トークが進む。
「お酒、特に麦焼酎がめっちゃ好きです。酔っ払うと『ちょっとぉ、もっと飲んで!』と語気が荒くなっちゃうのがタマにキズかなぁ」
初恋話や好きな男のタイプなどを聞きつつも、酔いが回るにつれ「どこかでマネジャーが監視してるんじゃ……」という当初の警戒心も薄れてきて、「まゆちゃんは受けか攻めかでいえば……」と、下ネタ方面に話を振ると、少々食い気味に「受けです!」と反応してくる。
「ドMなんですよ。首輪や緊縛グラビアにも興味あります!」
最後の一言に軽~く、小誌「グラビアン魂」への営業感も見え隠れしたが、それはヤボというもの。ともあれ可愛いグラドルとくだけたトークを楽しめる、週プレの“本気”に脱帽する夜であった。
【週プレ酒場】住:新宿区歌舞伎町1-18-9 WaMall歌舞伎町5F
電:03-6273-9787
営:17~24時
料:「週プレ酒BAR」のチャージは1万円(税別)でコース料理付き。
各回1時間の3部制。詳細は公式サイト(http://shupure-sakaba.jp/)まで
撮影/西田 航