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俺の夜

池袋に誕生するフェティッシュバーで倒錯した世界を堪能する

 SPA!編集部のエロ事師こと、加藤カジカくんから「今度知り合いの女王様がお店出すんスよ。で、その女王様がお店で出す料理の試食をしてほしいみたいなんで、一緒に行きまんか?」と誘われ、女王様が料理? 試食? と、頭の中は「?」だらけになったのだが、まぁ、面白そうだからとホイホイと池袋へ。

 ところが池袋に着くと同時にカジカくんから「人生で2度あるチャンスの1度目が来たので、一人でイッちゃってください。ママ、優しいから大丈夫っスよ」と……。事情が何一つわからないまま、FEMMEFATALEのドアを開いたのであった。

気がつけば猿ぐつわを……

「カジカさんから話は聞いてるわよ。今日はお店で出す料理を試作するから、食べてみていろいろ感想を聞かせてほしいの。フフフ」

フェティッシュバーであるが、本格的な料理が味わえるのもこの店の特徴。凛子ママはワインのスペシャリストでもある

 壁に掛かった鞭や拘束具を片付けながら妖艶な笑顔で出迎えてくれたのは、ママの凛子さん。今日は凛子ママが店で出す料理を試作して、私が偉そうに講釈を垂れるというわけである。素晴らしいタトゥー、そしてなぜかバドガールのワンピース姿の凛子ママが、低温調理で作り上げたローストビーフを切り分ける。

肉を切る姿すら妖艶な凛子ママ

「せっかくだから食べさせてあげますよ。フフフ」

 おもむろに肉をつまんで私の口に入れてきたのは、凛子ママの相棒、良美さんだ。肉は旨い。良美さんが食べさせてくれたから旨さも3割増しと、おべっかを言いたいのだが、本当に旨いのだ。

 一通りフードメニューの試作を味わい、アドバイスをする。だが、なんとも落ち着かないのである。そのワケは言うまでもなかろう。壁に掛かったあらゆるSMグッズ、そして、目の前にいる妖艶な女王様たちの存在だ。

「いやぁ~、SMって正直あんまり縁がなくて。この猿ぐつわとかされて、鞭で打たれたりするんですか? 気持ちいいんですかね」

 と言うと、

「じゃあ、試食も終わったし、軽くやってみます? フフフ……」

 と凛子ママ。どうやら私の一言が女王様たちの心に火をつけてしまったようである。もう一人の相棒、ゴロゴロ様に至っては、なぜかボンデージ姿に……。そこからはもう、あえて語るまい。

美食、美酒に酔い、倒錯の世界に溺れる

左から凛子ママ、ゴロゴロ様、良美さん。ゴロゴロ様は昼間はOLをしており、良美さんは3000人とプレイした経験豊富な女王様

 猿ぐつわをかまされるわ、壁に掛かった革手錠をされて吊るされるわ……。幸いなことに“初心者”であることを理由に鞭で打たれるのは回避したものの、まさか試食にきて女王様3人がかりで責めあげられることになるとは、夢にも思わなかった展開である。

 だが凛子ママ、さすがはこの道17年のキャリアである。眠っていたのか気づいていなかったのか、私の心の中にあったマゾ心を見事に花開かせてしまったのである。

非日常を味わいながら女王様たちと一夜を

SMのオプションサービスは1000円となっており、吊るされたり、鞭で叩かれるなどのプレイが体験できる

「どんなプレイがしてみたい?」

「顔面騎乗を少々……」

 パシッ!

「それはここじゃダメよ。フフフ」

 初心者だから鞭はなしって言ったじゃないですか……。

 お店も絶賛営業中。世のM男たちは池袋へ急げ!

【FEMME FATALE】
住:東京都豊島区西池袋1-26-3 津村ビル2F
電:03-3590-0508
営:19時~翌1時
休:日
料:チャージ60分2000円(女性1000円)。飲み放題90分1万円(女性5000円)
お店の情報などはTwitter @femmefatal_bdsm
撮影/赤松洋太 取材協力/森田光貴 スペシャルサンクス/加藤カジカ(本誌)

令和最初の夏はオジサンの街にいながらビーチ気分で盛り上がる!

 令和最初の夏が来た。そう思いながらもいつもの夏と変わらず、新橋の居酒屋で生ビールと焼き鳥を頬張るスパムです。旅行サイトを見ても、シーズン真っただ中の高価格に外出も断念。東京にいながら羽を伸ばせる場所はないものかと降り立ったのがJR神田駅だ。

 今年の秋に大型総合施設・コレド室町テラスがオープンするこのエリアでは、新たな飲食店や夜遊びスポットが少しずつ増えて盛り上がりを見せているんだとか。2軒目を探しながら歩いていると、「令和発! 高級リゾート気分で寛げるお店」という魅惑の看板を発見。早速、入店してみることにした!

多彩な飲みコールが響く常夏気分のテラス空間

 今回訪れたのは、今年6月にオープンしたばかりのガールズバーラウンジ「スマイルテラス」だ。アメリカ西海岸をイメージしたというウッド調で統一された広い店内は、一見するとオシャレなカフェのような雰囲気。そんななか、きららちゃんとのあちゃんの20歳コンビが登場。ノースリーブワンピ姿が真夏の到来を感じさせる。

のあちゃん(右)ときららちゃん(左)。20代前半を中心に30人ほどが在籍。神田の夜は、金曜22時以降が一番盛り上がるという

きらら「実は入り口の螺旋階段に使われている木材は伊豆の白浜から持ってきてるらしくてインテリアもすごくこだわってるんです」

ビーチテラスをイメージした店内で美女と乾杯!

 リゾートの空気を感じながら、ビーチテラスで美女たちと乾杯! しかし実際の夏の予定を聞くと、「仕事ばっかり」と言う彼女たち。

生ビールからハイボール、焼酎など飲み放題も充実。お店オリジナルの唐揚げ(1000円)は試行錯誤を重ねてこだわった看板メニュー

のあ「水着を着るのもとしまえんのナイトプールぐらいかな。あと、来月ここでビキニイベントがあるから映える感じのを撮りたい」

きらら「姉妹店でやったときは、ビキニの上にワイシャツを羽織ってたから透けさそうと濡らしてくるお客さんが多くて、まあまあカオスなイベントだったよね(笑)」

 彼女たちの水着姿を想像しながらニヤける。飲みが進むと、得意の盛り上げコールも披露。お酒のペースが遅めのスパムに2人から、「ラララ、ライ! ラララ、ライ! ラララ、ライ麦畑で隠れてオ●ニー♪(飲み干すまでループ)」と、容赦ない飲みコールが。

おしとやかそうに見えてコールの嵐が止まらない!

YouTubeで体得している飲みコールは30種類。最後の決めポーズまで完璧!

きらら「毎回同じコールばっかりだと飽きるから、歌舞伎町ホストのYouTubeチャンネルを見て常に新しいのを仕入れてて。今は30種類ぐらいあるんです」

のあ「ただ、きららさんは1年前に山形から上京してきていまだに歌舞伎町とか六本木に一回も行ったことがないっていう(笑)」

きらら「はいバップ! 謝罪テキーラの“ごめテキ”だよ!」

ガールズバーとは思えないぐらい映える店内。

 会話に応じて、繰り出されるコールにこちらもついつい飲みのペースが上がってしまう。結果的にリゾート感はやや薄まる感じもするが……、そんな乱れっぷりを楽しむのもまた、夏の醍醐味だろう。
そんなことを思っていると、すかさず次のコールが。

2人「ジャニーズ、ジャニーズ!ジャニーズ、ジャニーズ! ほんとはチャイニーズ! ニーハオ♪(ここで手のひらを飲んでいる人に向けるポーズ。これを飲み干すまでループする)」

のあ「最初はびっくりされるけど、段々コールがクセになってリピーターさんも多いんです。お客さんから『可愛い』とか言われるよりは、ワイワイしながら『キモイー!』ってイジってもらったほうが本領は発揮できますね」

 夏のぬるい夜風に当たりながら、さらなる英気を養うため水着イベント日に再訪を誓うスパムでした。

【スマイルテラス】
住:東京都千代田区鍛冶町1-6-2林ビル2F
電:03-6271-7470
営:19時~ラスト
休:日曜
料:チャージ料40分/3000円(飲み放題)、8月は特別価格で初回40分/1000円。
不定期開催のイベント等は、お店HPまで
smile-terrace.com

撮影/水野嘉之

歌舞伎町の最深部 長屋の屋根裏で夜な夜な催される妖しいショーに潜入

 昔の歌舞伎町の雰囲気を最後まで残す「思い出の抜け道」。バラック屋台が並び、魑魅魍魎が跋扈する小道は、潜入記者時代何度も痛い目にあった場所だ。尻の奥がキュッとするのは気のせいか。O氏と2人、当時のタフエピソードを語っていると、小道が妙に明るいことに気づいた。薄暗くうねった道の真ん中に、複合飲食店施設「のれん街」ができており、古民家風の長屋は若者で賑わっている。

歌舞伎町の最深部に現れる「思い出の抜け道」。古いバラック屋台などが軒を連ねており、抜けるのには躊躇する道だ

 焼き鳥、牛タン、串カツ……肉食な街にふさわしく、煙と熱気でもうもうの店内。O氏と俺は焼き鳥屋の鶏皮焼きをビールで流し込もうとした刹那……“ドスン!ドスン!”と天井が軋む音が。他の客も酒を飲むのを止めて異音がするほうを見上げている。

(右下から時計回りに)美羽ママ、ちいママの優羽さん、石頭さとみさん、ライカさん。ちなみに全員がニューハーフというから驚きだ

「実はこの上、ショーパブなんですよ。僕らは慣れっこなんですが、ビックリしますよね(笑)」

 そう語る焼き鳥屋の店主。確かに2階からラウドな音楽とともにステップを踏むような音がする。

明るく威勢のいいお姉さまがお出迎え

 焼き鳥をかじりつつ、軋む階段を上るとド派手な店が。「ミックスショーパブ」と書かれている。

「いらっしゃい、座って座って!」

「安室ちゃんに影響された世界観を実現したい」と銀座の店から独立した美羽ママ(左)。カラフルなショーは女性客をも魅了する

 やけに声の野太いお姉さん(?)に腕を摑まれ、ソファへ。今まさにショーが始まろうとしていた。

一度見たら忘れられない魅惑のキャストとショー

女王蜂や、ヤバイTシャツ屋さんなどのジャパニーズロックからキンプリまで選曲がイカす。

 安室ちゃんの曲とともに始まったショーダンスはハード系。「ミックスショー」をうたう通り、ニューハーフ、おなべちゃん、ノンケの女性ダンサーが激しく踊る。長家の屋根裏。梁がむき出しで決して広くないステージだが、プロジェクションマッピングで演出されるなど幻想的。衣装を次々と替えてポップでクール、そしてセクシー。ダンサーのほとんどがニューハーフというのだから驚きだ。




「男も女も性をも超えたキャストがお客さんを目いっぱい楽しませる屋根裏ショーパブです」

 ショーの演出から衣装デザイン、振り付けまでほとんど一人でこなすという美羽ママが終演後、息を弾ませながら説明してくれた。

衣装も自作だそうで、バックのオリジナル映像とも相まって歌舞伎町流ファンタジーを魅せてくれる

「何が出るかわからない」とママが言う屋根裏の“フリークショー”は、映画『グレイテストショーマン』のよう。昨今デオドラントされつつある歌舞伎町の最深部は、怪しく、妖しいから楽しい。

【屋根裏Muchu】
住:新宿区歌舞伎町1-3-7 第1金嶋ビルB棟2階(歌舞伎町REDのれん街)
電:03-3202-1177
営:19時~ラスト
休:無休
料:7000円~(ショーチャージ込み・飲み放題)
●ショーは1日3回。開始時刻は要TEL

協力/O氏(夜遊びガイド) 撮影/渡辺秀之

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