第百十九夜【後編】

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「お店を始めたのは、私の失恋がきっかけだったんです。お酒は飲めないのに、知り合いのバーに毎日通い詰めて相談に乗ってもらっているうちに、自分で店をやったほうが早いんじゃないかと思って……。家族でオープンしちゃったんですよ」(美穂さん)

 必ずしも客前に出るわけではないという彼女だが、この日は隣の席に座り、気さくに話してくれた。まさか憧れの矢部美穂がこんな身近で拝めるとは……。と、高ぶるテンションを必死に抑えながら、彼女の話に耳を傾ける。

「お母さんはトーク係。美希は”子ども店長”って肩書でやってもらってるんです。性格はみんなマイペース。特に、美希は気分屋さんかな。だから”子ども店長”なの。今日も、ちょっと機嫌が良くないかもしれませんね(笑)」

 その言葉が耳に入ったのか、三女の美希さんがいきなり「もう! オネエちゃん、うるさい!!」とお客さんがいるにもかかわらず、カウンター越しに会話に乱入。姉妹ゲンカを始めると、すかさず母の文子さんが「もうあなたたち、いいかげんにしなさい」と仲裁に入る。

「これが名物、矢部家劇場ですよ」と、呆気にとられているテキサスに常連客の一人が笑いながら教えてくれた。

 ここ「YABEKE」では、こうした”矢部家劇場”と呼ばれる矢部家の日常生活が垣間見えるのも特徴であり、ウリなのだとか。

「矢部家へ遊びに来たって感覚になってもらいたいんですよ。家族っていいなぁって実感してしまうアットホームな雰囲気から、また明日も頑張るぞぉって。元気をもらって帰ってほしいんですね」

 最初は美穂さん目的で訪れた人でも、この矢部家のアットホームな雰囲気に惹かれ、リピーターになる人は多い。

 温かい「YABEKE」の雰囲気に、遠く被災した故郷に思いを馳せる。そして、こうして夜の街で飲んで日本経済を支えることも震災支援だなと思い、深酒するテキサスでした。

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左から母・文子さん、長女・矢部美穂さん、三女・美希さん。
この家族による「矢部家劇場」なる矢部家の日常が見られるのも、同店ならではの魅力!

YABEKE

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オススメは、オリジナルドリンクの「YABEKEサイダー」(840円)。
サイダーといっても爽やかな味わいのお酒だ。
住:東京都世田谷区池尻2-34-1ハイツルピネス1F 
電:03-3424-0022
営:20時~翌1時
休:土日祝日 
料:チャージ800円

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有効期限:’11年6月7日迄(矢部美穂誕生日)

撮影/西田 航

テキサス 「女のコとの会話は最高の前戯」がモットー。趣味は年間50回ほど行くキャバクラとFX
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