更新日:2022年08月22日 02:30
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誠意ある対応を怠れば、AV業界は滅ぶ――作家・ルポライター井川楊枝

 近年、恵比寿マスカッツがオリコンにランクインし、あまたの芸能人がAVデビューしたことで業界の地位は上がったように思えた。しかし、実のところ「モザイクの向こう側は本番ではない」という建前で制作されるAVは、日本の法律に照らすとグレーな位置づけだった。そこが、業界人が声を上げられない理由でもある。業界大手のCA(元DMM傘下)もSODもこの問題では防戦一方で、DMMに至ってはCAを売却した。  しかし、このままでいいのか。老舗メーカーのV&Rの社長であり監督でもある安達かおる氏は「現状のままでは国による介入が起こり、表現が大幅に規制される」と危惧する。沈黙していれば嵐が通り過ぎるどころか、むしろ事態は悪化している。AVANという女優の権利を保護するための団体は生まれたものの、本来なら前述の大手2社などが率先して強要問題の対策を打ち出すことで世間を納得させ、その代わりに業界がこれまで築き上げた表現を守る手立てを講じるべきだった。乱暴な言い方だが、ソープランドと同様、たとえ法的にグレーでも被害者さえいなければお上もそう目くじらは立てないものだ。  すでに野外プレイもファン感謝モノも撮りづらくなっており、今後は凌辱作や、さらには本番AVすら撮れなくなるかもしれない。そうなれば市場に出回るAVはほぼ壊滅だ。業界を愛し、自身の制作物に思い入れがあるなら、業界はこの「出演強要問題」に誠意ある対応をすべきだろう。 【井川楊枝氏】 作家・ルポライター。『女子高生ビジネスの内幕』(宝島社)、『封印されたアダルトビデオ』(彩図社)などの著作の他に漫画原作、映画制作に関わる 取材・文/「アダルトビデオを考える」取材班 ― [AV業界]ドロドロ相互不信の内幕 ―
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