厄介な上司から自分を守る方法――ドラ猫アドラ の「大人のアドラー力講座」
教えて!ドラ猫アドラ 「ダメラーのための大人のアドラー力講座」VOL.1
<石原壮一郎>
ワシの名はアドラ。公園から公園をさすらうドラ猫である。みんながワシを指さして「ア、ドラ!」と言うから、アドラという名前になった。
公園のベンチでは、いろんな人間たちが深いため息をついている。ワシに言わせれば、どいつもこいつも、わざわざ悩みを抱えて不幸になりたがっているようにしか見えない。
たぶんワシの前世は、名前が似ている心理学者のアルフレッド・アドラー博士である。さてと、今日もどこかの公園で、悩める“ダメラー人間”たちに、苦しみから救われる〈大人のアドラー力〉を伝授してやるか……ニャ。
<今日のダメラーさん サトル(33歳・営業)@浜松町の某公園>
あーあ、どうして課長はあんなに口うるさいんだろう。机の上が汚いとか返事が小さいとか、細かいことにいちいち文句をつけてくるんだよね。ふた言目には「お前のためを思って言ってるんだ」と恩を着せてくるのも、うっとうしくて仕方がない。きっと俺、課長に嫌われてるんだろうなあ。そんな気がするから、ついつい不満そうな顔しちゃうしなあ。いっしょの空気を吸っているだけでストレスが溜まるよ。あれ? なんだこいつ。アッ、ドラ猫……。
ダメラー部下「えっ、なんか言った?」
アドラ猫「公園のベンチで缶コーヒーと魚肉ソーセージか。オツなもんだにゃ」
ダメラー部下「ちょっと小腹がすいたんで。っていうか、猫が言葉を……」
アドラ猫「話が先に進まないから、そこは気にするな。おぬしが課長をうっとうしく思っているのは、よくわかった。毎日の会社生活が幸せで、けっこうなことだな」
ダメラー部下「おいおい、何言ってんだよ。俺のひとり言、聞いてたんだろ。うっとうしい課長が大嫌いで大嫌いで、ストレスいっぱいの毎日を過ごしてるんだぜ」
アドラ猫「そこまで嫌うということは、よっぽどエネルギーが余ってるんだな。嫌いな課長がいるおかげで、仕事に熱が入っていなくても必要な勉強をサボっていても、そんな自分を反省しなくて済む。幸せじゃないか。苦あれば楽あり、人間万事塞翁が馬」
ダメラー部下「なんだよ、このドラ猫。諺を挟んでくるのが、余計にうっとうしいなあ」
アドラ猫「おぬしは『課長が嫌いなオレ』に酔ってるだけだ。課長は口うるさくてうっとうしいヤツかもしれないが、嫌ってくれと頼んでいるわけじゃない。おぬしは目先の『不幸な幸せ』が欲しくて、わざわざ一生懸命に嫌ってるんだ。あつものに懲りてなますを吹く」
ダメラー部下「ぜんぜん違うよ。しかも、諺もぜんぜん合ってない。課長がどんなにイヤなヤツか知らないから、そんなこと言えるんだ。あの細かくて陰険な性格、ホントどうにかしてほしいよ」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1310233

「やたら細かい課長がうっとうしい。ソリも合わなくてストレスがたまる」
アドラー猫の喝!「課長が嫌いなオレ」に酔っていたらダメラー!

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