ライフ

16歳東大合格男が指摘「努力を平気で裏切る無駄な勉強法TOP3」

科学的に間違った勉強法TOP3

マーカーイメージ 非効率的な勉強法とは、惰性に身を委ねた「怠惰な勉強法」を指す。勉強した感を出すこと自体が、目的と化してしまっている。以下はその典型例と言えよう。 ①テキストをひたすら何度も読む ②下線を引いたりハイライトしたりする ③ノートを取る  これらはすべて、単なる作業に過ぎない。何気なくやっている人は多いが、勉強法の比較実験で非効率性が露呈するなど、科学的に強く否定されている。一つずつ解説していこう。 ①テキストをひたすら何度も読む  テキストを延々と何度も読み続ける行為は、2つの構造的欠陥があるため、勉強効率が非常に悪い。まず、テキスト再読は「曖昧な内容の理解度向上」と「既知の内容の単なる復習」に大別できるが、惰性的な作業である後者の占める割合が大きい。さらに、再読を繰り返す中で、「Aの次にはB。Bの次にはC」というふうに、内容そのものではなくテキスト上の順序を覚えがちなので、理解度の低い箇所に気づきにくい。 ②下線を引いたりハイライトしたりする  カラフルなペンで教科書や参考書を一生懸命にデコレーションする行為は、単なる遊びだ。下線を引いたりハイライトしたりしても、内容が自分の頭に入るわけではない。 ③ノートを取る  意図を持たずにノートを取る行為は、不毛である。ノートを取ったところで、教科書や参考書の劣化版を作っているに過ぎないからだ。大事な箇所だけ取捨選択してメモするのは「あり」だが、何も考えずに惰性的にノートを取るのは「なし」だろう。 「目的を持たない人は、やがては零落する。全く目的がないぐらいなら、邪悪な目的でもある方がマシである」(カーライル)

科学的に正しい勉強法TOP3

模擬テストイメージ 効率的な勉強法とは、冷静さと積極性に溢れた「勤勉な勉強法」を指す。意味のある努力は、ほぼ必ず報われる。その典型例を次に示す。 ①勉強する「前」に模擬試験を行う ②間隔を空けて練習と模擬試験を繰り返す ③質問形式でメモする  これらはすべて、勉強である。直感に反するが、科学的には理にかなっている。一つずつ解説していこう。 ①勉強する「前」に模擬試験を行う  未勉強状態での過去問を用いた模擬試験は、一見理不尽に思えるが、2つの理由で勉強効率が非常に良い。  まず、模擬試験を行うと、今後勉強すべき内容の優先順位を一瞬で認識できるようになる。さらに、人間の脳は間違えた事柄を強く記憶するようにできているので、暗記に必要な労力が大幅に減る。これを脳科学では「ハイパーコレクション」と呼ぶ。  たとえば「オーストラリアの首都はどこ?」という質問に「シドニー」と間違えて答えた記憶がある人は、恥という「記憶のトリガー」があるので、正解である「キャンベラ」を長期記憶として保ちやすい。  だから問題を解くときは、答えや解き方がパッと分からなくても、すぐ解説を見たり、人に聞いたりせず、十分に悩んでから答え合わせをする癖をつけよう。 ②間隔を空けて練習と模擬試験を繰り返す  忘れる頃に積極的に思い出す想起学習を行うと、短期記憶は長期記憶に徐々に移行していく。想起学習には、模擬試験だけでなく、想起間隔と練習も重要である。 【想起間隔】2~3日後・1週間後・1か月後というふうに、徐々に想起間隔を伸ばしていくと、忘れる頃にちょうど思い出せる。最適な想起間隔は、記憶を保持したい期間によって異なり、長い保持期間ほど長い想起間隔を要する。思い出すべきタイミングにアラートしてくれる、フラッシュカードのアプリを利用するのも効果的(例:Anki)。 【練習】テキストを再読する代わりに、自分でテキストを作る。概念や単元名などのキーワードを見て、活用を意識しながら、自分の言葉で説明してみる。完全な文章ではなく、箇条書きやメモリーツリー形式で殴り書きする。上手く説明できない箇所は⾚字でハイライトしておいて、後から覚え直す。 ~自作テキストにおける、キーワードと説明の例~ a) 英語の⽂法(例:関係代名詞)→概要・項⽬・⽤法・例⽂を書く b) 数学の概念(例:ユークリッドの互除法)→定義・記号・証明・練習問題を書く c) 国語の単語(例:よく出る古文の動詞)→単語とその意味を枚挙する d) 化学の化合物(例:ベンゼンの反応)→性質・反応例・用途を書く e) 心理学の用語(例:カクテルパーティー効果)→概要・理論・応用を書く ③質問形式でメモする  授業・自習中に大事だと思った箇所を質問形式でメモすると、効率の良い想起学習ができる。テスト直前などにメモを読み返し、質問に答えられるか試すことで、弱点を埋められるからだ。たとえば、「縄文時代の人の平均身長は?」というクイズを作って、後で「男:158cm、女:149cm」と答えられなかったら、覚え直せばいい。 「科学は前進するが、人間は変わらない」(クロード・ベルナール『随想』より)
文・写真/東大AI博士・カリス
1993年、韓国生まれ。16歳で東京大学に合格。日本政府から天才認定(学生としては初めて、研究業績だけで永住権を取得)を受ける。博士(情報理工学/東京大学)。英・ケンブリッジ大学/独・ミュンヘン工科大学/伊・ミラノビコッカ大学で訪問研究。⽇本トップレベルの医療AI研究者であり、「みんな健康かつ笑顔で暮らせる社会」を実現すべく、医用画像データプラットフォームを手がけるCallisto株式会社を創業。YouTubeチャンネル『カリス 東大AI博士』にて、科学的勉強法・科学的思考法・AIなどについて配信中

誰でも“天才になる”方法

16歳で東大に合格した
元引きこもりの僕が教える逆転の思考法

1
2
おすすめ記事