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「ふざけてんのか」Google口コミで誹謗された医師、開示請求した結果“まさかの犯人”に戦慄

 プロバイダ責任制限法の施行から2年超。一向に減らないネットの誹謗中傷に開示請求件数も急増中だ。だが、相手を追い詰めようと開示請求すると……地獄の蓋を開けた人の泥沼劇を渾身リポート!

クリニックの口コミに暴言。犯人はまさかの…

[SNS開示請求]まさかの真実

開示請求と裁判費用で80万円超え。「金勘定は無視してでも裁判は続けていく」と意気込む

 関東某所でメンタルクリニックを経営する精神科医の山本雄貴さん(仮名・45歳)に誹謗中傷のコメントが届いたのは、’23年11月のことだった。 「私のクリニックのGoogleクチコミに『お前ふざけてんのか』『〇〇という薬のせいで体重が増えた患者を放置するな』とコメントが。患者自ら使用する薬などの個人情報を投稿するとは考えにくく、開示請求しました」  その結果、犯人はなんと同業の医師だったという。 「相手は私と同じ患者を診ており、治療方針を巡って対立していた他院の医師でした。揉めた際、相手の勤め先に『口出しするな!』とケンカ口調で電話をかけた私も悪かった。ただ、その医師は、自分のもとに開示請求の通知が届くや否や『この医者はすぐ開示請求してくる』と速攻で口コミに書いてきて、やはり異常だなと。何より患者の個人情報を無断で晒すなど倫理的にも看過できません」

“甘受すべき”マイナスの口コミと“誹謗中傷”の境界を狙われた

 しかし、今回山本さんが相手の個人情報を得るまでに1年1か月の月日を要したという。 「Googleと犯人の携帯のキャリアの双方が情報開示に同意して初めて、私は相手の身元を知ることができます。でも、どちらのプロバイダも最初は『医師ならマイナスの口コミも甘受すべき』と開示に応じず長引きました。ただ、Googleクチコミは、いわれのない悪口に対しても施設側からは反論することが難しい理不尽なシステム。この機会に、誹謗中傷する人にも『やったらやり返される』と知らしめたいですね」  現在山本さんは相手の医師を名誉毀損で訴える準備をしている。
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法施行から2年以上――開示請求を巡る変化
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