“ステルス布教”するカルト教団が増殖中 被災地ボランティアや反原発デモに紛れて…
未曾有の被害をもたらした昨年の東日本大震災と、併せて起こった福島第一原子力発電所事故。天災と放射能への恐怖が高まるなか、社会不安をネタに人やカネを集めているのが、カルト教団だ。人々の不安を煽りながら布教活動を行い、新たな信者獲得に乗り出している。
※週刊SPA!6月19日発売号「カルト教団[全力で資金集め!]の驚愕実態」より
その一つが、学生を狙うカルト宗教の勧誘だ。学生を狙う勧誘は以前からあったが、震災以降、これが活発化しているのだ。なかでも、多発しているのが被災地ボランティア報告会に信者が紛れ込み、学生を勧誘する手口。西日本の大学に通う女子学生のAさんも韓国系カルト団体の勧誘を受けた一人だ。
「報告会の会場で、女子学生から“私たちのボランティア活動に興味はないか?”と声を掛けられました。純粋なボランティアだと思ってメアドを交換。後日呼び出されたら、“実は私たちは聖書の勉強をしている”と言われた。しかも、連れて行かれたのはマンションの一室で、普通のキリスト教とは少し違いました」(Aさん)
不審に感じたAさんは知人に相談。ネット上で批判されているカルト団体と同じ勧誘手口だと気づき、その後のメール勧誘を無視し続け、事なきを得たという。
こうした“ステルス布教”で学生を騙す手口は枚挙に暇がない。
「教団によっては新年度が始まる直前の3月に、大学周辺のアパートの空き部屋をチェックし、新入生が入居するのを待ち構えています。そして戸別訪問し、大学生に学生生活に役立つ情報を提供するサークルなどと称して仲良くなり、親しくなってから宗教勧誘をする。接触してから正体を明かすまで、場合によっては2~3か月かけるケースもあります」(元信者)
また、震災を利用した強引な勧誘も横行している。高校卒業以来、ほとんど連絡がなかった友人から呼び出され、勧誘を受けたのは都内の私立大学に通うBさんだ。
「待ち合わせ場所の池袋の喫茶店に行くと、知らない男が友人と一緒に現れて、仏教団体の勧誘を始めた。“地震で死んだ人は、うちに入信しなかったから死んだ”と言って、入信届に名前を書くまで帰してくれない。“死にたくなければ入信しろ”って脅迫ですよ。結局、3時間近くも勧誘を続けられ、根負けして名前を書いてしまいました」
Bさんを勧誘したのは、かねてより学生をターゲットにした勧誘で知られている仏教団体だ。カルト問題に詳しいフリーライターの藤倉善郎氏が解説する。
「この団体内では“震災で人が死んだのは仏罰だ”と言って、今まで以上に信者を勧誘活動に駆り立てている。それを真に受け、それほど熱心ではなかった信者までもが目の色を変えて勧誘をし始めています。真面目な学生ほど、カルトに入信すれば熱心な勧誘要員になるし、ゆくゆくは有能な幹部候補にもなる。カルト団体にとって学生は恰好のターゲットです」
全国で盛んに行われている反原発デモ。ここにもカルト団体の魔手が忍び寄る。
「反原発を唱える仏教系カルトの若い信者が、デモの参加者たちに自団体の新聞を配って回っていました。デモには学生の参加者も多く、信者たちは学生らしき若者に対して、特に重点的に新聞を手渡ししていた」(デモ参加者)
震災を機に拡大するカルト勧誘。学校側も学生たちに注意を呼びかけている。 <取材・文/SPA!カルト教団取材班>
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