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正社員の9割が“負け組”に転落、日本の絶望的な近未来とは

 かつては安泰の代名詞だった正社員。だが、彼らの大半は“負け組”予備軍だった。70歳まで働く未来を想定し、「なんとか会社にしがみついてやり過ごす」というスタイルはもはや通じない。「45歳定年制」発言が物議を醸し……正社員を襲う絶望的な近未来とは? 正社員[9割は負け組]説

正社員の9割が“負け組”に転落

 3594万人。これは日本の正社員の数だ(総務省労働力調査 2021年7月分結果より)。全労働力人口の約6割を占める、我が国の生産力の屋台骨といっても過言ではない。だが、そんな正社員の9割が“負け組”に転落する未来がそこまで迫っている。 「終身雇用・年功序列・企業別組合。これらは正社員の“三種の神器”と言われ、日本では長らく『正社員の雇用を守る』ことこそが企業の美徳とされてきました。しかし、そんな考えは今や昔。これら3つの正社員の特権は、すでに崩壊したと見るべきです」  そう語るのは400社以上で人材育成を支援する前川孝雄氏。コロナ禍で雇用の調整弁として非正規雇用者が雇い止めを食らうケースが頻発したが、それだけではもう限界。正社員の整理に手をつける企業も増え、早期退職者を募る企業はここ2年で8倍にまで増加したという。

終身雇用はもう限界

 とはいえこれらは、企業が社員に同意を得て解雇に至ったケース。判例上、日本では企業が一方的に解雇権を行使するには極めて高いハードルが存在するのも事実だ。だが「こうした正社員雇用の“大前提”にも地殻変動が起きている」と警鐘を鳴らすのは、経営コンサルタントの日沖健氏だ。 「経団連は、すでに3度にわたり解雇規制を緩和するよう国に働きかけています。’19年には会長自身が『終身雇用はもう限界だ』と定例会見で発言したことも。経団連は日本の大企業を中心に構成される団体ですから、こうした声が頻繁に上がるのは『解雇規制なんて早々に取っ払って、優秀な社員以外はリセットしたい』と多くの企業が考えている証拠でしょう。  先日の自民党総裁選でも唐突に“解雇規制の緩和”が争点のひとつとして取り上げられましたが、大企業の思惑に従う形で、国が法改正に本腰を入れる可能性は決して低くない。今後はごく一部のエリート正社員が優遇される一方、“そこそこ優秀”レベルの正社員でも賞味期限が過ぎたと見なされた瞬間、問答無用でクビを切られる時代がやってきかねません」
正社員[9割は負け組]説

日沖健氏

 “正社員は安泰”とされる最大の根拠だった解雇規制。だが、「雇用が流動化したほうがイノベーションが生まれて良い社会になる」という企業側の建前のもと、その存在自体が風前の灯なのだ。
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運良く会社に残れても地獄…
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