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詐欺師が出所後にトップ営業マンに…元受刑者が再起するための求人誌も

令和2年の出所受刑者数は1万8923人。そのほとんどがマイナスからの人生の再出発を余儀なくされている。社会に出た元受刑者はどのような境遇に陥っているのか、我々取材班はその実像に迫った。 【前編を読む】⇒元受刑者が語る、出所後に待ち受けた現実「120社以上の求人に応募したが全滅」

特殊詐欺師が出所後にトップ営業マンに。まれな成功例も

受刑者たちの再就職 ほとんどの元受刑者が再起に苦労しているなかで、まれに出所後にトントン拍子で仕事が決まる人もいる。 「知り合いの伝手で不動産や金融系の会社からお話をいただけて。給料も歩合で、同世代のサラリーマンよりは稼いでいるんじゃないかと思います」

詐欺で培った話芸が身を助ける皮肉

 そう語るのは、6年ほど前に特殊詐欺で逮捕され、今年の初めまで東北地方で刑務所生活を送っていた鎌田翔氏(仮名・28歳)。現在の職業は“営業マン”というが、そのカラクリはこうだ。 「リストを渡され、片っ端から電話をかけて、クロージングまでもっていく。流れだけ見ると特殊詐欺と今の仕事はすごく似ています。今は不動産を安く仕入れて高く売る“ブツ上げ”のテレアポをしているのですが、職場には僕のような特殊詐欺で捕まったことがある人がチラホラ。口達者なことをこの業界では『顎が回る』と表現するのですが、そこを買われているのかも」  入社から1年と経ずにトップの成績をとり、社内評価も上々だという鎌田さん。一度の犯罪で一生を棒に振る人もいるなか、詐欺で培った話芸が身を助けているというのだから、なんともいびつな話だ。
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求人誌が受刑者の社会復帰を支える
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