お金

“老後2000万円問題”は「ウソ」と断言。夫婦2人の食費6万4444円は高すぎる

人生100年時代。50歳ですら道半ばという長い余生は、喜ばしいどころか、不安でしかないという読者諸兄も多いことだろう。しかし、「お金」「健康」「孤独」といった世間に蔓延している老後不安は本当に正しいのだろうか? ウソに隠された誰も教えてくれない真実を解き明かす。

年金だけで「普通の生活」は送れる!?

間違いだらけの[老後不安]老後不安で真っ先に頭をよぎる老後資金。しかし、老後2000万円問題に端を発するお金の不安は実態のない虚像に踊らされているだけだった。 金融庁が発表した、「老後20~30年間で約1300万~2000万円が不足する」、通称“老後2000万円問題”。世の人々の不安を煽ったが、経済コラムニストの大江英樹氏は「ウソ」と断言する。 「2000万円とは総務省の『高齢夫婦無職世帯の家計収支』というデータが独り歩きしたもので、毎月の赤字額である5万5000円に平均寿命をかけて割り出されています。 しかし、その支出の内訳は違和感だらけです。たとえば、1か月の食費が夫婦2人で6万4444円は明らかに高すぎです。普通に生活していれば3万5000円ほどにしかなりません。そもそも、なぜ赤字前提なのか。貰える年金額はわかっていますから、支出を抑えればいいだけです」

毎月の不足額はわずか1541円

間違いだらけの[老後不安]

【高齢夫婦無職世帯の収入と支出】金融庁の審議会で使用された資料に登場する、総務省の「高齢夫婦無職世帯の家計収支(2017年)」を引用して製作。実支出から実収入を差し引いた5万4520円が毎月の赤字額だ。食費の6万4444円、交通・通信費の2万7576円、その他の消費支出5万4028円など過大な項目が散見される

毎年の収支が変化するのは年金生活も同じだ。たとえば、新型コロナ禍で特別給付金が支給された’20年は、実収入額が’17年よりも4万8565円増え、自粛生活で支出も4413円減少。 結果、毎月の不足額はわずか1541円に平均寿命をかけても“老後55万円問題”にしかならない。要は、「その年の不足額×30年」という計算はかなりいいかげんなのだ。
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年金額だけでの実験結果は…
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