平均2億超え!? 止まらない「都内マンションの高騰」。中古でも1億弱、賃貸価格も値上がり
都心部マンションの高騰が止まらない。新築価格は2億円を突破、中古マンションですら1億円がないと購入が難しい。庶民には、絶対に手が届かなくなった東京のマンション事情に、取材班が迫る!
「都心部のマンションが高すぎて、購入を諦めました。一般の人が買うなんて無理です」
見上げると、高さ18階建てのマンションが立ち並ぶ「晴海フラッグ」。都内の食品会社に勤める伊藤ゆみこさん(仮名・36歳)はマンションの購入を今年1月に諦めた。憧れの中央区に住めれば。そんな思いが今でも拭いきれない。
伊藤さんは3年前に1歳上の男性と入籍し、世帯年収は900万円程度。それでも購入には、手が届かなかった。
この晴海フラッグは、選手村として東京五輪で活用された宿泊施設でもある。現在の販売価格は、85㎡台で平均が8000万円になる。晴海はかつて、交通の便が非常に悪く、倉庫や空き地しかない地帯だった。それが再開発によって、普通の人の手が届かない価格で高止まりしている。
晴海だけではない。東京都のマンション価格全体が急騰している。
特に23区は高騰しており、不動産経済研究所が4月18日に発表した’22年度の平均価格は、前年度と比べて17.2%上昇の9899万円を記録。1990年度以降、過去最高値を更新した。なかでも新築マンションは高く、同研究所が発表した「3月の新築マンション価格」の平均は23区で2億1750万円を記録し、初めて2億円を超えた。
民間の調査会社「東京カンテイ」で上席主任研究員を務める井出武氏は、「向こう数年はマンション価格の高騰が止まらない」と予測した上で、「供給側に高騰の要因がある」と話す。
「建築コストの高騰が最も影響しています。オリンピックによる需要増などで世界的に資材が高騰したところにロシア・ウクライナ間の戦争が勃発。そこに急激な円安も加わったのが大きかった」
都内マンション価格が高止まり。十分な収入でも手が届かない
23区のマンション価格は1990年度以降、過去最高値を更新
![東京[マンション高すぎ問題]の舞台裏](/wp-content/uploads/2023/05/23050908-550x304.jpg)
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