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1ドル150円は序章?「円安が止まらない3つの理由」を経済アナリストの森永卓郎氏らが語る

 1ドル=150円前後の円安・ドル高が続き、日本国内には出口の見えない閉塞感が充満している。  迷夢を払うようにその理由を探ると、知れば知るほど、目をそむけたくなる現実があった——。

為替相場が突きつける圧倒的な日本の国力低下

円安

主要国の名目実効為替相場。対ドルだけでなく日本の独り負け ※macrobondのデータを基に唐鎌氏作成

 日本円が世界で独り負けしている。先進国のなかで円の安さ(上図参照)は際立っているが、年初来では円より常時下落しているのはロシアルーブル、トルコリラ、アルゼンチンペソくらいだ。  半世紀ぶりの異常な円安に、海外から観光客が殺到する一方で、日本人の出国者数はコロナ前から半減。海外旅行は高嶺の花だった昭和に逆戻り。とはいえ、国内の宿泊費は金持ち外国人向けに高騰し、貧しい日本人は楽しめない。  この憂国の円安はまだまだ止まりそうにはない。その3つの理由は――。

【理由①】米国不景気に期待する円高シナリオの崩壊