「ラブホの回転ベッド」が誕生したのはいつ? 写真家・都築響一が語るラブホの歴史と変遷

若者に人気の昭和レトロブーム。なかでも、激動の時代を彩ったラブホテルはユニークでカオスな世界観を醸し出している。廃業や建て替えが進み、“絶滅危惧種”となったそんな古きよきレガシーを愛好家たちと探訪した。 今回は、写真家・都築響一氏にラブホの歴史と変遷について解説してもらった。

日本独自に突然変異した変貌の歴史

[昭和ラブホ]遺産巡礼

都築響一氏

ラブホテルは単に人目をはばかる男女が互いの性を貪る愛の巣窟ではない。日本独自とも言える突然変異を繰り返し「カオスな空間」に変貌した歴史がある。 「もともとラブホテルの需要は、住宅難から始まりました。第2次世界大戦後に焼け野原となった日本ではSEXできる場所が少なく、終戦直後は皇居前広場が“人気のアオカンスポット”として有名でした。そこでまぐわっている男女を、進駐軍の将校が双眼鏡で見ていた話は有名です。その後復興が進み、都内に流れてきた労働者が泊まる宿が密集するように。そこに目をつけた男女が、隠れた愛の巣として短時間で利用したのがラブホテルの始まりと言われています」 こう語るのは、写真家で編集者の都築響一氏だ。当時「連れ込み宿」と呼称されていたラブホテルは、千駄ヶ谷を中心に乱立していた。その名の通り、男性がSEXを目的に女性を「連れ込む宿」という意味だが、一説では立ちんぼが売春行為をそそのかして男を「連れ込む」とも言われている。

ラブホのベッドが回転するようになったのは…

[昭和ラブホ]遺産巡礼

【閉館】『ホテルアルパ 403号室』(東京都・駒込)螺旋階段を上ると2階は円形ベッドに