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“北朝鮮へ旅行”できる日は来る!? 政府間の秘密接触、サッカー日朝戦で、断絶に変化か

 ’02年の「日朝平壌宣言」および拉致問題の発覚後、進展がなかった日朝関係。コロナ禍では北朝鮮側の鎖国によりさらに断絶され、政府間の関係は終わったものと思われた。  だが、今年に入り一部では変化の兆しも見えるという。現状を追った。

政府間の動きを示す事象が少しずつ明らかに?

コロナ明け[北朝鮮問題]の現在地

岸田首相 © Gints Ivuskans | Dreamstime.com

 日朝関係は日本が最優先に求める拉致問題について北朝鮮は「解決済み」の立場を堅持していることもあり、長年膠着状態であった。そしてコロナ禍では北朝鮮が完全鎖国体制を敷いたため、日朝政府間の交渉は完全に停止したと思われていた。  北朝鮮の出先機関である朝鮮総連でも、動きは特になかったという。関係筋のA氏は話す。 「コロナ禍の4年間、両国政府間関係に進展があったという話は一切聞きません。議長クラスなら本国と何らかの情報交換をしているでしょうが、末端は事務的なやり取りに終始し、お互いの国情について窺うような動きもありませんでした」  だが昨今、日本政府の前向きな姿勢がクローズアップされ始めた。  ’23年に2回、東南アジアの主要都市で日朝政府間の「秘密接触」があったと報じられ(『朝日新聞』’23年9月29日付)、同年5月に岸田文雄首相が金正恩氏との首脳会談の実現に向け「私直轄のハイレベルで」協議していきたいと表明した。  そして’24年元日に起きた能登半島地震に対し1月5日、金正恩氏が岸田首相宛てに被害を見舞う電報を送信。岸田首相を「閣下」と呼んだことも話題になった。  国家主席が日本の首相に直接電報を送るのは異例であり、日朝交渉を進めている岸田政権の動きを裏づけるものとしての見方も報じられた。  関係筋のB氏は「それ自体に大きな意味はない」と指摘しつつ、近年の変化の兆しについて次のように語る。

北朝鮮とのパイプが“政治力のオプション”?

コロナ明け[北朝鮮問題]の現在地

金正恩氏 © Alexander Khitrov | Dreamstime.com