更新日:2024年12月16日 15:41

38歳からの妊活。3年で7回の体外受精に500万円「まさに“高額ガチャ”でした」【みんなハマる[課金地獄]の闇】

ソーシャルゲームへの課金中毒が話題になって久しいが、見渡せば婚活、美容整形、ダイエット、中学受験……あらゆる課金沼が口を開けて待っている。もはや社会問題化しつつあるこの底なしのシステムに、なぜ人々はハマり、抜け出せなくなるのか? 彼らの切実な胸の内に迫った。

妊活も課金地獄。痛みと出費の3年間

みんなハマる[課金地獄]の闇

写真はイメージ

「不妊治療の深い沼にいました」 作家・吉川トリコ氏が不妊治療を始めたのは、38歳のときだった。 「足かけ3年、計7回の体外受精で500万円弱を費やしました。当時は保険適用でなかったため、採卵、体外受精、培養で40万円強、さらに移植すると70万円。そのほかにもさまざまな検査で数万円が出ていきます。 最初は『3回でダメならやめよう』と決めていましたが、夫の強い希望もあり延長することに。体外受精の着床率は、40代では約10%といわれていますが、回数を重ねるほど『次こそは……』という思いからあとにひけず、課金をくり返す。まさに“高額ガチャ”ですね。ただ、結局は子供を授かることはありませんでした」

妊活は身体的、時間的な負担も大きい

身体的、時間的な負担も大きかった。 「採卵前には、2週間ほど病院に通いつめ、待ち時間も3~4時間で執筆のペースも落としました。採卵は吐き気や痛みで涙が勝手に溢れるほど。私は自営業なので、なにかと融通が利きますが、会社員だとかなりハードなのでは。東京以外だと、病院の選択肢もまだまだ少ないですよね」 数々の葛藤と課金を乗り越えた今、吉川氏は夫との穏やかな暮らしを満喫している。 「“血の繫がった子供”以外にも、養子縁組など家族をめぐる選択肢が広まることで、終わりの見えない不妊治療に苦しむ人も減るのでは」 妊活にすがる思いでいる人々への潤沢な支援と、幅広い選択肢が今もなお待たれている。 みんなハマる[課金地獄]の闇 【作家 吉川トリコ氏】 1977年生まれ。’04年『ねむりひめ』で「女による女のためのR-18文学賞大賞・読者賞」受賞。近著に『コンビニエンス・ラブ』(U-NEXT)
みんなハマる[課金地獄]の闇

吉川トリコ氏

結婚するにも課金地獄が待っている!?

続いては運命の相手探しで課金地獄にハマるケースだ。

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