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【新連載 岡口基一 vol.1】なぜ俺は裁判官をクビになったのか?“白ブリーフ判事”の告白

 なぜ俺はクビになったのか? 法曹界の「しくじり先生」が裁判官人生を振り返る!

弾劾裁判とは無関係。出回る“白ブリーフ姿”の画像

裁判官失格0618 ’24年4月3日、俺は裁判官を“クビ”になった――。  正確に記すならば、国会に設けられた弾劾裁判所で罷免の判決を受け、裁判官の身分を剥奪されたのだ。弾劾裁判を通じて罷免の決定を受けたのは、この制度が始まって以来8人目。  訴追された理由は、俺が実名で開設したTwitter(現・X)アカウントを通じて発信した「発言」等であり、これが「著しい非行に当たる」と一方的に断じられたからだ。  新聞やテレビ、オンラインニュースなどさまざまなメディアで、俺がクビになったという一報が駆け巡ったこの日、俺は、各局のニュース番組をはしごして見ていたが、俺の白ブリーフ姿の画像を画面に映し出していた局がいくつもあった。この画像は、俺が、自身でTwitterに投稿したものであるが、弾劾裁判では、明示的に訴追対象から排除されたものである。  つまり、罷免判決では、この画像は一切考慮してはならないものであるし、また、俺はこの画像の使用をメディアに許可したことは一度もない。

弾劾裁判で初めてわかった“発達障害”

おかぐち・きいち◎元裁判官 1966年生まれ、東大法学部卒。1991年に司法試験合格。大阪・東京・仙台高裁などで判事を務める。旧Twitterを通じて実名で情報発信を続けていたが、「これからも、エ ロ エ ロ ツイートがんばるね」といった発言や上半身裸に白ブリーフ一丁の自身の画像を投稿し物議を醸す。その後、あるツイートを巡って弾劾裁判にかけられ、制度開始以来8人目の罷免となった。著書『要件事実マニュアル』は法曹界のロングセラー