権威化した天才の『ワイドナショー』の不幸とは何か?【松本人志論 連載第6回】
『遺書』がベストセラーになった頃の松本人志は、確かに権威へのカウンターであり、時代への挑戦者だった。彼は「おもろいやつの三大条件」を「ネクラ・貧乏・女好き」と明言したことで、「自分には何もない」と沈んでいた多くの若者を勇気づけ、『遺書』は時代のバイブルとなった。
そう語るのは、YouTubeチャンネルでのエンタメ解説/映画ドラマ考察の動画が大人気の大島育宙さん。冷静で客観的な分析に定評のある彼が、“お笑い界の巨人”について忖度なしにその功罪を語る、待望の「松本人志論」が本誌で短期集中連載中だ。
8月27日号に掲載された第6回では、そんな松本人志が『ワイドナショー』で時事論を語る立場になって不勉強をさらしてしまったのは、みずからが権威になってしまったがゆえの避けられない不幸だった、と大島氏は語る。それは一人の芸術家が、望むと望まざるとにかかわらず国民性を獲得し、アイコン的市民権を得てしまった悲劇だとも言える。
名エッセイストとしての『遺書』と、暴論コメンテーターとしての『ワイドナショー』、松本人志の名暗を分けたのは何だったのだろうか?
渾身の偉人伝の全貌は、ぜひMySPA!にて読んでいただきたい。
1992年生まれ、東京都出身。東京大学法学部卒業。Eテレ『太田光のつぶやき英語』、TBSラジオ『こねくと』レギュラー出演のほか、「無限まやかし」をはじめ4本のポッドキャストに出演。YouTube「大島育宙【エンタメ解説・映画ドラマ考察】」を配信する