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雨戸の交換で30万円をせしめるリフォーム詐欺の手口「老人は大きな音で脅すと弱いんだ」

―[狙われる老後]―
コツコツ働いて、贅沢はできないまでも生きていくために蓄えた老後資金を狙う輩で世の中は溢れている。これが高齢化社会の現実なのか。身近に潜む最新手口に迫る!

高齢者をビビらせて法外な料金をふっかける

狙われる老後

屋根、雨戸、壁、配管の修理など種類はさまざま。「儲かるけど新規の参入も多い。稼げた月は数百万円の歩合をもらえた」(D氏)

北関東の某市郊外にある古びた住宅街(300戸)。高齢化が進み、今では住人の6割超が後期高齢者だ。 「俺たちもこの団地ではけっこうおいしい思いをさせてもらいましたね」 こう語るのは北関東を根城にする“リフォーム詐欺グループ”の元幹部D氏だ。 「『屋根が壊れている』『今なら無料で点検してあげるよ』と偶然通りがかった職人を装って声をかけて、半ば強引に敷地内に入り込んで、修理するふりをする。途中から威圧感を出してビビらせ、法外な料金をふっかけるのが基本」

リフォームに関する相談件数は増加傾向に

独立行政法人国民生活センターに寄せられたリフォームに関する相談件数は、’22年度で2885件にも及び、その後も増加傾向にあるという。 「騙すネタは屋根でも壁の亀裂でも何でもいいが、うちらは雨戸の修繕・交換が多かったかな。『腐食がひどいよ。このままだと窓枠全体が歪んでエラいことになる』と言って庭に入れてもらったら、点検のふりをして雨戸をガタガタと揺さぶってやる。 大きな音が出るでしょ。近所の目を気にする老人はこれを嫌がる。すぐに老人のほうから『修理は頼むので、これ以上音をさせないで』なんて懇願してきますよ」

支払いを拒めるような高齢者はいない