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成人式を迎えた“トー横キッズ”に密着。「親にはひどいこともされてきたけど…」語った本音と未来

 新たな門出を祝う成人の日。家庭や社会に居場所を見つけられず新宿・歌舞伎町で身を寄せ合う「トー横キッズ」にも、成人式に向かう人がいる。彼らはどんな思いでこの日を迎え、未来を描くのか――等身大の本音に迫る。

トー横通いを隠して会場へ…無邪気さの裏にある深い陰

[トー横キッズの成人式]

ホストクラブでスーツは着慣れているシンさん。同日夜に行われた同窓会前に、“大宮界隈”に顔を出していた。「自立して穏やかに暮らすのが夢。親には感謝の気持ちもあるからいつかメシをオゴりたい」

 歌舞伎町に集うトー横キッズたち。年々注目度が増し、行政が対処に乗り出すなど、手のつけられない非行少年少女というイメージもある。しかし、彼らの「キッズから大人になる心境」を聞くと、意外な一面が見えてきた。 「自分はまだガキですね。大人という実感はないです」  成人の日を前に20歳の思いを聞くと、シンさん(仮名)は真面目な表情を見せた。1年半前からトー横に通っており、現在はピザ店でバイトをしながら、歌舞伎町でホストをしている。  幼い頃に両親が離婚し、継父から激しい暴力を受けて育った。 「トー横には“仲間”がいっぱいいた。埼玉の実家から歌舞伎町まで通うのは遠いので、近場にトー横のような場所をつくろうと“大宮界隈”というグループを運営したり。俺らのような存在の居場所づくりを考えるようになりました」