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「夢と現実の境目がなくなって…」新指定薬物“エトミデート”が若者に蔓延、リキッドで密売される実態

 いつの時代も、次から次へと新しいドラッグが生まれては規制され、当局とのイタチゴッコがやむことはない。5月に新たに指定薬物となったのは、海外で使用されている麻酔薬だった。その正体とは!?

ユーザーに実際の使用感を直撃

[ゾンビVAPE]密売ルートを追え!

Xやテレグラムで堂々と販売する業者

 厚生労働省は5月26日、国内未承認の麻酔薬「エトミデート」を指定薬物に指定し、購入や所持、使用を禁止した。  エトミデートは最近、沖縄県内を中心に新種の危険ドラッグ「笑気麻酔」として蔓延しており、10~20代の間で広まっていた。VAPE(電子タバコ)で吸引するリキッドにされた状態で密売されているのが特徴だ。  エトミデートのリキッドは、鎮静効果を持つ危険ドラッグとして問題視されている。当局がその存在を認知したのは交通事故捜査や繁華街での職質がきっかけで、今年に入り150本が押収された。若者の使用が目立ち、麻薬取締支所が死亡例を含む危険性を警告。台湾などからの流入が疑われ、本土にも拡散しつつある。  今回、匿名で取材に応じてくれた関東在住の20代の男性ユーザーはこう述べる。 「今年の2月くらいからかな。テレグラムを通じて買いました。リキッドの量にもよるけど、1本1万~1万5000円くらい? 一服しただけで精神が安らぐんですよ。夢と現実の境目がなくなって、どっちかわからない。なんか右脳と左脳が入れ替わる感じ。自分はうつ状態に入ることが多いから、安らぎを得るために欠かせません。でも、吸い続けると緑内障になるって噂があるんで、ほどほどにしないとダメですね……」

“高コスパ”で国内にもどんどん蔓延か