「45歳から貯蓄すべきはカネより友達」マネーコンサルタントが警鐘。死ぬ前の後悔トップ5に「もっと稼げば良かった」はない
世代を問わずに働き方が多様化する昨今、積極的に「無職」という生き方を選び、ストレスフリーな生活を送る人が増えている。「仕事に縛られず、もっと自由に生きたい」そんな心の声を受け入れた先には、どんな暮らしが待っているのか――。
無職を謳歌する人たちが増えている一方で、漠然とした老後不安に怯えながら、ひたすら貯蓄に励む中年は少なくない。だが、マネーコンサルタントの頼藤太希氏が「45歳から貯蓄すべきはカネより友達」と警鐘を鳴らすように、将来に備えた貯蓄行動がかえって後悔を招くことだってある。
「長年緩和ケアの介護を務めたブロニー・ウェア氏によると、死ぬ前の後悔トップ5は『自分に正直な人生を生きればよかった』『働きすぎなければよかった』『思い切って自分の気持ちを伝えればよかった』『友達と連絡を取り続ければよかった』『幸せをあきらめなければよかった』の5つ。一方で『もっとお金を稼げばよかった』という後悔は上位にありません。つまり、良好な人間関係や経験・思い出のほうが人生を豊かにするのです」
生活基盤を守るための資産形成は大切だ。しかし、「日本人の多くはむしろ貯めすぎている」と、頼藤氏は指摘する。
「内閣府のデータでは、世帯資産がピークを迎えるのは60代半ばで、それ以降の消費は資産の1~2割ほど。多くの方が使い切れずに亡くなっているのです。私のお客様の中にも、何にお金を使うべきかわからず途方に暮れたり、会社員時代に仕事以外の人間関係を構築しなかったために孤独に悩んだりする高齢男性は多い。お金に執着しすぎるあまり、人生を振り返ったらお金以外に何も残らない人間になっている恐れもあります」
お金の使い道にも「幸せが持続しやすいモノ」と「そうではないモノ」があるという。
「高級ブランド品や高級時計などの“地位財”は、他人との比較で幸せを感じるものですが、買った瞬間がピークになりやすい。対して、健康、社会との繫がり、心地よい環境といった“非地位財”は、幸せの持続性が長い。家族や友達と経験する時間は思い出として死ぬまで残り、人生の資産になります」
人生を豊かにするものはお金ではない?
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マネーコンサルタントの頼藤太希氏


