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8050問題の深刻化 「親亡き後も子の人生は続く」。専門家が語る、中高年引きこもり支援の難しさ

80代の親が50代の子供の世話をするいわゆる「8050問題」が深刻化している。’25年には団塊世代の全員が後期高齢者となり、引きこもりの子供を残したまま、親が亡くなるケースが増加しているのだ。社会との繫がりを断った「大人の引きこもり」が親亡き後に辿る過酷な現実に密着した。

行政の支援は質・量ともに不十分

親の死後を生きる[引きこもり中年]の苦闘

引きこもりの相談・支援を続ける丸山康彦氏が開催する相談会の会場風景

親の死後、引きこもり当事者は人生を生き直すことができるのか。元当事者としての経験を基に、22年間にわたり引きこもりの相談・支援を続ける丸山康彦氏はこう話す。 「8050問題が表面化したのは’10年代後半です。現在、親亡き後の当事者の行く末が懸念されるようになったが、新しい問題だけに有効な手立てを講じられる専門家は現時点では見当たりません。ただ、親の死後も子の人生は続く。親が亡くなるまでに引きこもりを解決しようとするのではなく、親亡き後を見据えた支援が重要です」 内閣府の’22年度の調査によれば、40~64歳の中高年の引きこもりは推計約85万人。この数字は4年間で約24万人も増加している。今後も親の死後、窮地に陥る当事者が増える見込みだが、行政の支援は質・量ともに不十分だ。 「親が役所に相談に行くと『(引きこもっている)本人を連れてきてください』などと平気で言う。それが長期化の一因なのに、教育が不足している。そもそも、お役所仕事でたらい回しがあるうえ、公務員ゆえに異動が多く、スペシャリストが育ちにくい。研修を制度化しなければ、人材は育成できません」

ネガティブなことばかりではない