大量摂取すると危ない市販薬5銘柄とは。幻覚、嘔吐、心臓が止まることも…
昨今、若年層を中心に蔓延する市販薬や処方せん薬のオーバードーズ。違法ではないからといって、大量摂取をすれば毒薬になってしまう。実際に乱用されている中で特に危険度の高い薬を徹底調査!
「ODは非日常感を得たいときにやりますね。レスタミンは背筋が凍る感じがずっと続いて、違法薬物に似てるって聞いてる」(男性・23歳)
「嫌なことがあって記憶を飛ばしたかったらパキる。お酒は味が苦手で、メジコンだと飲みやすいし、手軽にトリップできるの」(女性・19歳)
市販薬の過剰摂取、いわゆるオーバードーズ(=OD)が若者の間で急増し、社会問題となって久しい。
厚労省の研究班によれば、’21年5月~’22年末に、ODで全国7救急医療機関に搬送された人は122人で、不整脈、意識障害、嘔吐などの症状を訴えたという。うち11人に臓器障害などの後遺症が残った。
OD使用された市販薬は189品目になることも判明した。埼玉医科大学臨床中毒センターの医師・喜屋武玲子氏が解説する。
「最も多いのは、解熱鎮痛薬の47品目で、次に鎮咳去痰薬が35品目、 かぜ薬が34品目と続き、これらで過半数を占めました。日本の市販薬の特徴として、複数の成分が含まれていることが多く、そのためODの症状も、不整脈や動悸、精神症状、吐き気など複合的になりやすいです」
最も危険な症状は、循環器系の不整脈だという。
「あまりにも過剰摂取すると、突然心臓が止まることも起こり得ます。実際に死亡する事故や事件というのは起きています。ほかには、肝臓など臓器系の大幅な機能低下が見られ、後遺症として残ってしまう場合も。また、長時間飲み食いしないことで脱水となり、腎臓にダメージが蓄積したり、昏睡で長時間同じ姿勢で寝ることで、圧迫されていた側に痺れが残ったりするケースもあります」
言わずもがな、すべての薬は用法用量を正しく使うことを前提に販売されている。どんなに良薬でも過剰摂取をすると毒薬に転じてしまうが、特に注意が必要な薬は何なのか。厚労省が発表した実態調査などからODで使用されやすい市販薬を調べ、危険性の高いものを順位づけした。