健全化を図るホスト業界に闇金業者が忍び寄る…売掛廃止の危険な罠
高額な借金、売春の強要、風俗嬢への転身など、女性が追い込まれた原因とされている「売掛」が歌舞伎町のホストクラブで禁止となった。昨今のホストブームにメスが入ったその実態に迫る。
4月1日から歌舞伎町にある約7割のホストクラブが、売掛(ツケ払い)の全廃を開始した。背景には、高額な請求をされ、返済に追われた女性客の一部が立ちんぼや海外出稼ぎなどの売春に走るなど、社会問題化したことがある。
こうした事態を受け、新宿区とホスト業界で売掛廃止の方針が昨年末から議論され、今年1月から段階的に金額規模を縮小し、廃止に向けて動いてきた。
現場の肌感覚はどうか。ホストクラブの経営者に、売掛廃止の影響を聞くと、「1月の月商が前年比3億円から2億円へ急落した」と語る。
「客の予算を超えてはいけないため、盛り上がって『売掛でもう1本シャンパン!』といった勢い任せの営業や、女性客が酔った隙に売掛を持ちかけることはできなくなりました。ただ、ホストが女性客から売掛金を回収できず、未入金分を給料から天引きされて収入がほぼゼロになることも珍しくないので、売掛廃止に賛成するホストも多い」