保護犬猫ブームの闇。悪質団体の犬譲渡会に潜入してみると、15万円超を請求され…
保護犬・猫を迎えることがブームとなっている。しかし、水面下では悪質な保護団体によるビジネスが行われていた。何が起きているのか?
5月10日、計5頭の犬を麻酔せずに帝王切開し、452匹を劣悪な環境で飼育した犬虐待事件の判決が元ブリーダーの男に言い渡された。刑罰はわずか懲役1年、執行猶予3年だった。あまりにも軽いペットの命である。
この動物愛護法違反(殺傷・虐待)事件の背景にはペットショップの生体展示販売がある。つまり、犬や猫を大量に繁殖させ、可愛い子犬・子猫の頃に売り捌くことがビジネスとして成り立っているのだ。
さらに、近年この犬・猫の大量繁殖が別のビジネスにも繋がっているとして、社会問題になりつつある。
それは「保護犬・猫の救済活動」という慈善の仮面をつけたビジネスである。保護犬・猫の啓蒙活動を行うペットメディアプロジェクトの元スタッフ・山口晃平氏は話す。
「’19年に動物愛護法が改正され、’21年から『数値規制』が始まりました。ブリーダーの繁殖・飼育方法に、飼育頭数の上限やケージの広さなどを規定する条項が設けられたのです。その結果、業者が飼いきれなくなった犬・猫が“保護犬・猫”として動物愛護団体に流れるようになりました。譲渡会のなかには、販売会と呼ぶほうがふさわしいところも増えています」
最近では地上波の動物番組でも保護犬・猫を扱う企画が増え、里親になった芸能人の姿が映し出される。SNSや動画配信でも犬猫をテーマにしたものは数字が取りやすいこともあり、投稿は増えるばかり。
それらに感化された人も多く、空前の保護犬・猫ブームとなっていることに、悪質な事業者や団体がつけ込んでいるのだ。