昨今、注目が集まる50代転職。その活況から、ただ会社にしがみついていただけのスキルゼロ、コネゼロの負け組社員が参戦し、屍の山を築いている。しかし、この大多数の50代くすぶり社員でも転職を成功させ、年収増を狙える秘策が。その極意を探る。 ミドルの転職市場が注目されるなか、すでに50代を積極採用する企業もある。サントリー山崎蒸留所の建設でも知られる大阪の中堅ゼネコン・三和建設もその一つだ。本業以外にも熱中症対策商品「ゼネコンがつくったしおゼリー」を販売し大ヒットさせるなどユニークな経営で知られているが、あえて50代を採用するのはなぜか。社長の森本尚孝氏に聞いた。 「建築業界は今、大阪万博の建設需要もあり盛況ですが、当社はその先10～20年後を見据えた取り組みをしています。その一つが50代を含むベテラン採用。もとから新卒社員の育成には注力していましたが、設計や施工管理など専門領域の技術は一朝一夕では身につかない。そこで、指導できる社員の中途採用を始めました。未来に投資する点では新卒採用と同じくらい重要なのが50代のベテラン採用なんです」