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成人映画館が絶滅危機の理由。AVの普及以外にも原因があった

 成人映画館の存続が今、危ぶまれている。成人映画館の最盛期にあたる1980年代は、ピンク映画を流す映画館は全国に1000館以上あり、新作映画も年間200本超が上映されていた。だが現在、都内で確認できる成人映画館は4館のみで、全国でも36館と、絶滅の危機に瀕している。今回は消えゆく成人映画館の現場を紹介する。

ハードルを乗り越えた先に、成人映画館の魅力がある

エロ遺産

280席ある館内。緩やかな傾斜で疲れずに映画を観ることができる。「後継ぎが見つからないと、このまま自然消滅です」(吉村氏)

 成人映画館が絶滅の危機に瀕している理由について、全国の映画館を紹介する「港町キネマ通り」を運営する大屋尚浩氏はこう解説する。 「1980年代以降、レンタルビデオ店の普及によってAV産業に市場を奪われて衰退していきます。2000年頃からはフィルム上映からデジタル上映への移行が急速に進んだことで、資金難から閉館するポルノ映画館が続出しました。また、館内で猥褻な行為をする一部の客によって、ハッテン場というイメージがついたのも、純粋な成人映画ファンの客足が遠のいた理由の一つです」  足を踏み入れるのに逡巡してしまうが、そのハードルを乗り越えた先に、成人映画館の魅力がある。 「茨城県水戸市にある『銀星映画劇場』は、敗戦後の1951年に洋画専門館として創業し、1971年頃に成人映画館となりました。手書きの上映スケジュールや注意書きなど、猥雑なロビーがいかにも男の城といった感じがします。しかも、防空壕として掘られた場所に建てられているんです」  ポルノ映画館で歴史の重み。それを味わうべく車を走らせた。

文化を発信する映画館は文教エリアに溶け込む

エロ遺産

風格すら漂う外観。1951年に洋画専門の映画館としてスタート。その後、邦画専門を経て、1971年頃から成人映画館になった

 車通りの多い県道沿いに「銀星映画劇場」はある。ここは、正面に郵便局、ひとつ隣のブロックに保育園がある文教エリアだ。  館内に入ると、まだ200円台だった頃の煙草のポスターなど、そこかしこに“昭和”が残っている。「フィルムで映画を製作する配給会社がなくなり、5年ほど前からフィルム上映はやめたんです」と館主の吉村賢治郎氏は話す。彼に案内されて劇場に入ると、想像以上に広くて驚いた。280席はある立派な箱だ。ここが防空壕だったのかと思うと、歴史の重厚さに体が震える。自然な傾斜は防空壕の名残だろうか、どの席からでもスクリーンがよく見える。
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