恋愛・結婚

昭和のラブホがド派手だった理由。メリーゴーラウンド、プラネタリウムetc.

 1984年、風営法の改正により、ラブホテル新設の認可が下りなくなった。しかし、回転ベッドや鏡張りといった豪奢な昭和ラブホテルの終焉は、この法改正を前に始まっていたのだ。絶滅の危機に瀕しながらも、令和の時代に生き残り、根強いファンを獲得している昭和ラブホに迫ってみよう。

「あるうちに行ったほうがいい」

エロ遺産

225号室は遊園地をイメージ。メリーゴーラウンドの木馬と一緒に360度回転するベッドがある。天井が高く開放感も抜群

『日本昭和ラブホテル大全』著者で映画監督の村上賢司氏はこう語る。 「大ヒットした小説『なんとなく、クリスタル』には、主人公の女子大生が『繁華街にあるキンキラキンのラブホテルは好きになれない』と言う描写がある。本が出版された1981年当時にはもうこうした価値観が若者を中心に主流になりつつあり、現在に至るまでシンプルなシティホテル風のラブホテルが人気の傾向にあります」  建物の老朽化に加え、経営者が代わり、多くの名物ラブホテルがマンションに建て替わっていった。現存するラブホテルもコロナ禍に喘ぎ苦しんでいる。そんな状況だからこそ「あるうちに行ったほうがいい」と村上氏は語気を強める。

エンタメ力の高さがホテルに誘う口実だった

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206号室はベッドで横になりボタン操作すると満天の星が瞬く幻想空間に。リフォーム前のベッドはスペースシャトル型だった

 ド派手な昭和ラブホを好む氏が太鼓判を押すのが、1983年開業の「ホテル フランセ」だ。  岡山駅からローカル線で3駅。幹線道路から脇道を15分ほど行くと、大きな白い建物が見えてくる。個別のガレージは部屋直結。階段を上り、扉を開けると色とりどりの部屋が現れた。ここは夢の国だ。 「最近のラブホテルはリゾート、アジアン、リラックスがコンセプトのところが多い。かつてはベッドが回ったり、前後に動いたり、そんなファンタジックな物珍しさがホテルへ誘う口実にもなったんですよね。まあ、エンタメ性が高すぎて、プレイに集中しにくいのが玉にキズですが(笑)」  そう言って笑うのは支配人の濱野氏。吹き抜けの天井から吊るされた巨大な王冠が電飾で光る225号室は名物の一つだ。ボタンを押すとベッドと一緒に周りの木馬がゆっくり回る。リラックスとは真逆を行くが、そこがいい。
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首都圏から目当ての部屋を予約する若いお客も
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