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ジェネリック医薬品の供給が「不安定」になった理由とは?メーカー幹部からは怒りの声

日本の医薬品市場は世界3位の規模を誇るが、コロナワクチンの開発では日本の製薬メーカーは完敗した。それだけではない。ここにきて目に余る不祥事も続発している。今、この業界で何が起きているのか? 気鋭のジャーナリストがその闇に光を当てる。

医療業界で続発する不祥事と政府による薬価引き下げ政策

消えたジェネリック医薬品「いつものお薬、在庫が切れているので、今回は同じ成分の、別のお薬に変更となりました」  かかりつけの医師が出してくれた処方箋なのに、薬局でこんな“言い訳”を耳にする機会が増えていないだろうか?  実は今、医薬品業界で、静かに、そして、ゆっくりと、大きな地殻変動が起きている。コロナ禍の喧騒にかき消されているが、この1、2年の間で、ジェネリック(後発医薬品)を中心に薬の供給が極めて「不安定」になっているのだ。  確かに、数年前から薬の流通が滞るアクシデントはあった。だが、今回の供給不足はその比ではない。なぜなら、慢性心不全の標準治療薬として用いられる「ビソプロロール」や副腎皮質ホルモン製剤の「デカドロン錠」(デキサメタゾン)、さらには、新型コロナ感染症の血栓症や人工透析にも使用される抗凝固薬「ナファモスタット」といった、命にも直結するキードラッグも多く含まれているからだ。 「ビソプロロール」は今年7月、供給が一時停止。最小限の影響でとどめる代替薬もあるが、高血圧症や不整脈、狭心症といった基礎疾患の心臓負担を軽くする重要な薬であるため混乱が広がった。  日本薬剤師会が’21年8月25日付で公表した「ジェネリック(後発医薬品)の供給状況」に関するアンケートによると(回答数166薬局)、入手困難となっていた医薬品は実に3173品目にも上る。市場から姿を消した理由は「出荷調整」が最多で、回答中7割が「入手困難」を訴えた。

出荷調整で消えたジェネリック

※9月30日時点 ・ビソプロロール(沢井、サンド、テバ、トーワ、日医工、日本ジェネリック) 心臓を休ませ、血圧を下げる薬。高血圧症のほか、狭心症や不整脈、慢性心不全の治療に使う。業界大手企業の供給不調が原因 ・デカドロン錠 ※デキサメタゾン(日医工、セルジーン) 新型コロナ感染症の免疫暴走抑制。リウマチや喘息等にも使う。強力なステロイド系抗炎症薬で、コロナ禍において需要拡大 ・エルデカルシトールカプセル(沢井、日医工) 骨粗しょう症治療薬。副甲状腺機能低下症の治療薬でもあるアルファカルシドールへの切り替えによる玉突き供給不足が問題視された ・ヘパリン(エイワイファーマ、沢井、日新等) 血液凝固阻止剤。新型コロナ感染症の治療の現場でも活躍。カテーテル時の血栓の溶解に使われる。妊娠時の不育症で薬不足が深刻 ・プロポフォール(日医工、マルイシ、ファイザー等) 全身麻酔・鎮静用剤 主に手術用だが、新型コロナ感染症の人工呼吸器・ECMO使用時に使う。これによって需要が拡大した
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薬価の強引な引き下げが薬の供給不足を招いた
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