会社員20年以上も「ぼちぼちの評価」だった人が、突然高評価を得ることはありえない。次の戦略は?
薄給の20代、激務の30代を乗り越えてきたのに、終身雇用は崩壊し役職はつかずに給料も頭打ち。転職しようにも、社内で再評価されようにも外されたはしごを掛け直してくれる味方はいない。“無理ゲー”と化した会社で中年社員が生き抜く術はどこにあるのか。
かくも厳しい中年社員たちの現状。周りを見渡せば敵だらけ、四面楚歌ともいえる戦場に立ち尽くす諸兄には今を生き抜くための戦略が必要だ。
会社は幻想であることを受け入れ、自己評価をやめ、会社に依存しない生き方を模索することこそが、現代の中年社員のサバイバル術。今回は中年の危機を乗り越える方法について解説していこう。
「自分のやりたいことが会社でやれない、上司・部下との人間関係で悩む。中高年以降で如実に出てくる『ミドルエイジ・クライシス』。これにうまく対処できないと『こころの定年』を迎えて働く意欲を失ってしまいます」
そう警鐘を鳴らすのは、自身も40代でうつ状態を経験した、人事・キャリアコンサルタントの楠木新氏だ。氏が窮地から脱した秘策が二足のわらじ戦略だ。
「平日の会社員の顔に加えて、週末は取材・執筆する個人事業主の顔を持ち、コツコツと実績を積み上げました。やがて出版や講演にも活躍の場を広げ、60代後半の今も同じ仕事を続けています。20年以上も仕事をして、ぼちぼちの評価だった人材が、突然高評価を得ることはありません。
一方で培った経験で会社の仕事はある程度余裕を持って回せるはずなので、仕事はきちんとしているふうに見せつつ、社外に自分のやりたいことを見い出せば、中年以降でも新たな自分を発見できます」

中年の危機を乗り越えよう
突然高評価を得ることはありません
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