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M-1トップバッターの最高点を叩き出したモグライダー。順番が違っても「優勝は無理だった」理由

「人生、変えてくれ。」──  昨年のM-1グランプリのキャッチコピーだ。この言葉をまさに体現したのが優勝した錦鯉であり、そしてもう一組、トップバッターとして歴代最高点を叩き出した「モグライダー」だ。 モグライダー 今年で結成13年目。芸人仲間に天才と呼ばれながら、地下でもがき続け、M-1出場のタイムリミットも近づく……その瀬戸際で初の決勝進出を果たして、ツッコミの芝大輔は「お待たせしました!」と感無量の声を上げた。その言葉の裏には、これまでのどんな時間や思いが託されていたのか?

最初はボケとツッコミが逆だった

──コンビ結成13年目ですが、おふたりとも結成前に何度も解散を繰り返しています。 芝:モグライダーが5組目ですね。途中、2年間くらい芸人やめて肉体労働ばかりしていた時期もあって。愛媛のガチの山奥で育ったから、意外と体力あるんですよ。指の第1関節だけでぶら下がれたりするんで、いつかSASUKEにも出てみたいくらい。ただ、やっぱり芸人を諦めきれなくて、初めて自分から探した相方がともしげなんです。 ともしげ:僕は10組目です。見ての通り、舞台に上がると台本からそれてしまって、そこで笑いが起きてしまうので、ネタを書いてくれる相方が「思ってたのと違う!」と怒っちゃって……。僕もネタで笑いが取りたいと思っているんですよ。だから、「ネタの人力舎」の養成所に入ってみたけど、そこでも落ちこぼれてしまって。 ──最初はボケとツッコミが逆だったとか。 芝:一度、芸人やめて、初めて自分から相方を選んで、これでダメだったら最後と決めてコンビを組んだんです。だから、まずはゼロから構築しよう、ともしげの好きにやらせてみようと。そうしたら、「ツッコミがいい」と言うから。 ともしげ:でも、芝くんがボケて僕がツッコんでも、「そのツッコミおかしいだろ!」ってさらに芝くんがツッコんで、そこが一番ウケるんですよ。結局、ボケもツッコミも芝くんがやって、僕はあたふたしているだけっていう。バランス的にはコント55号さんに近いです。 芝:てめぇ、簡単に言ってんじゃねえ!! ただ、ありがたいことに僕らを見た先輩方がよくそう言ってくださるんです。

「ウケなかったら、もう何も言わない」と頼み込んで、今のスタイルに

モグライダー──いい意味で今っぽくない、既視感のないネタだと思いましたが、意外なルーツがあるんですね。 芝:やってることは、「美川憲一さんに気持ちよく『さそり座の女』を歌ってもらおう」とか最低限のゲームの枠組みを作って、そこにともしげを放流しているだけなんですけど。 ともしげ:それで僕がミスをして、芝くんがツッコんで、お客さんも笑って、劇場のなかで僕だけがどんどん追い込まれていくっていう……。僕に負荷がかかっているときほどお客さんは笑うので、僕は一生幸せになれないのかもしれません。 芝:たしかに、なりたかった芸人像とは違うかもね(笑)。ただ、僕はこれがベストだという確信があったから、「ウケなかったら、もう何も言わない」と頼み込んで、今のスタイルになったんです。 ともしげ:もともと僕はいじめられっ子で、笑われるより笑わせる側に回りたいという思いが強かった。だから、最初はすごく嫌で号泣しました。でも、やっぱりウケると気持ちよくなっちゃって(笑)。 芝:こう見えて、意外とちゃっかりしてるんですよ。
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「笑い殺せる」でハマった地下の沼
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