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14歳で「ジャイアン」になった木村昴。抜擢当初に抱いた葛藤とは

「最初は記念受験のつもりだった――」。‘05年、当時14歳で「ジャイアン」という大役に抜擢された、声優・木村昴。時にはラッパーとして作詞を手掛け、時には俳優として大河ドラマに出演し、時には『おはスタ』のメインMC「スバにぃ」として朝の顔も飾るなど、現在、31歳となった木村は、その多才さで活動の幅を大きく広げている。今や人生の半分以上をともに過ごしてきた「ジャイアン」。木村が国民的ガキ大将に抱く思いとは――。 『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』 木村昴さんインタビュー

「ジャイアンのモノマネをしてください」

──木村さんがジャイアンを演じられてから17年がたちました。人生の半数以上をジャイアンとともに歩んできたわけですが、やはりこの17年間は長かったですか? それとも逆にあっという間でしたか? 木村:いや~、長かったですよ。とくに最初の10年ぐらいは長く感じましたね。僕たちが先代から受け継いだ『ドラえもん』のメンバーを、視聴者の方たちに受け入れてほしいし、認めてほしいんだけど、聞き慣れなくて違和感がある。特に僕は新人だったので、けっこう辛辣なことも言われるんですよ。決して悪気のない子どもにも、「ジャイアンのモノマネをしてください」って声をかけられるんです。いまはかわいいと思えるんだけど、当時は「くっそー!」って(苦笑)。 ──心に余裕ができたからこそ、かわいいと感じることができているのだと思いますが、いつごろから気持ちが楽になったんですか? 木村:心に余裕ができたのは、ここ3年ぐらいだと思います。たてかべ和也さん(先代のジャイアンを務めたベテラン声優)に言われたことが腑に落ちてからは、いろいろなことに挑戦していこうと行動するようになりました。

先輩から貰ったたったひとつのアドバイス

『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』 木村昴さんインタビュー──たてかべさんに、どのようなことを言われたんですか? 木村:ジャイアン役に決まった後、アドバイスが欲しくてしつこくたてかべさんに聞いたんですね。「どうやったらジャイアンを演じられるんですか?」って。でも、たてかべさんは何も教えてくれないんです。「ジャイアンは昴のものだから、俺が口出しするのはおかしい。これからは、昴が自分のジャイアンを新しく作っていかないといけないんだ。もう俺の出る幕じゃない」と、取りつく島もない感じでした。  それでもしつこく聞いていたら、僕が20歳になって初めて2人でお酒を飲んだときに、「ジャイアンは豪快なやつだから思い切りやってくれりゃいいんだよ」と教えてくれたんです。アドバイスらしいアドバイスは、その一度きりでしたが、当時の僕には、意味がわからなかったんですね。
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生涯をかけてジャイアンをやりきった先輩の姿
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『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021』作品概要

■原作:藤子・F・不二雄
■監督:山口晋
■脚本:佐藤大

■キャスト:ドラえもん・水田わさび のび太・大原めぐみ
しずか・かかずゆみ ジャイアン・木村 昴 スネ夫・関 智一
パピ・朴 璐美 ロコロコ・梶 裕貴 ドラコルル・諏訪部順一
ギルモア・香川照之 ピイナ・松岡茉優
地下リーダー・内海 崇(ミルクボーイ) パイロット・駒場 孝(ミルクボーイ)
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